アメリカの実業家イーロン・マスク氏は7月5日、自身が運営するSNS「X(旧ツイッター)」で、新党「アメリカ党」の結成を正式に発表しました。
By a factor of 2 to 1, you want a new political party and you shall have it!
When it comes to bankrupting our country with waste & graft, we live in a one-party system, not a democracy.
Today, the America Party is formed to give you back your freedom. https://t.co/9K8AD04QQN
— Elon Musk (@elonmusk) July 5, 2025
2 対 1 の割合で、皆さんは新しい政党を望んでおり、それを実現するでしょう。 無駄遣いと汚職で国を破産させることに関して言えば、我々は民主主義ではなく一党独裁制の国に生きている。 今日、アメリカ党は皆さんの自由を取り戻すために結成されました。
マスク氏は、トランプ大統領が推進した大規模減税法案について、「国家は破産してしまう」と厳しく批判し、既存の二大政党に代わる「第三極」としての立場を明確に打ち出しています。
Increasing the deficit from an already insane $2T under Biden to $2.5T.
This will bankrupt the country.
— Elon Musk (@elonmusk) July 5, 2025
バイデン政権下ですでに異常な2兆ドルの財政赤字が2.5兆ドルに増加する。 これでは国家は破産してしまうだろう。
この動きに対し、トランプ大統領は「軌道を外れ」と一蹴しました。共和党内の保守派からも反発の声が上がっており、両者の関係は決定的に悪化したとみられています。
Donald J. Trump Truth Social 07.06.25 06:20 PM EST
I am saddened to watch Elon Musk go completely “off the rails,” essentially becoming a TRAIN WRECK over the past five weeks. He even wants to start a Third Political Party, despite the fact that they have never succeeded in the…
— Commentary Donald J. Trump Posts From Truth Social (@TrumpDailyPosts) July 6, 2025
イーロン・マスクがここ5週間で完全に「軌道を外れ」、事実上大惨事になっているのを見るのは悲しいです。彼は、米国で一度も成功したことがないにもかかわらず、第三政党を設立したいとさえ言っています。このシステムは彼らのために設計されていないようです。第三政党の良いところは、完全かつ徹底的な混乱と混沌を生み出すことですが、自信と正気を失った極左民主党にはもううんざりです!一方、共和党はスムーズに動く「機械」であり、我が国の歴史上最大の法案を可決したばかりです。素晴らしい法案ですが、イーロンにとって残念なことに、短期間ですべての人に電気自動車の購入を強制するばかげた電気自動車(EV)義務化を撤廃してしまうものです。私は当初からこれに強く反対してきました。人々は今、ガソリン車、ハイブリッド車(非常に好調です)、あるいはこれから登場する新技術など、欲しいものを何でも買うことができます。EV義務化はもう終わりです。私はこのキャンペーンを2年間続けてきましたが、正直なところ、イーロンが全面的に、そして疑いなく私を支持してくれた時、私がEV義務化を廃止しようとしていることを知っていたかどうか尋ねました。私のスピーチや会話の全てに、その言葉が書かれていました。彼は全く問題ないと答えました。本当に驚きました!さらに、イーロンは親しい友人にNASAの運営を依頼したのですが、私は彼の友人がとても優秀だと思っていましたが、彼が純粋な民主党員で、これまで共和党に寄付をしたことがないと知って驚きました。イーロンもおそらくそうだったのでしょう。また、NASAがイーロンの企業生活において非常に大きな部分を占めているにもかかわらず、宇宙ビジネスに携わっていたイーロンの非常に親しい友人がNASAを運営するのは不適切だと思いました。私の最優先事項は、アメリカ国民を守ることです!
バノン氏、第三政党の設立を再び要求したマスク氏を激しく非難https://t.co/Y6m1gNxFAb マスクは金曜日トランプ「大きくて美しい」法案に署名して法律化する数時間前に自身のソーシャルメディアプラットフォーム「X」のフォロワーに対し「アメリカ党」結成を進めるべきかどうか尋ね党の提案を再度表明
— ふうこのつれづれ (@miraigaima) July 5, 2025
マスク氏は、「自由を取り戻す」というスローガンを掲げ、来年の中間選挙で上下両院に議席を獲得する意向を示しています。SNS上で実施されたアンケートでは、約124万件の回答のうち65%が新党結成に賛成と答えていますが、回答者のうちどれぐらいは米国籍なのかは不透明です。
二大政党制が確立している米国では、第三政党に対する高い参入障壁が存在します。同時に、第三政党の存在が米国の政治に少なからず影響を及ぼしてきたという歴史もあります。
アメリカの歴史の中で第三政党は二大政党のどちらかの足を引っ張る「スポイラー」の役割。「未曽有の拮抗」の中、共和党には脅威。昨年の選挙では、トランプが無党派出馬のケネディを陣営に引き入れたのが、保守を割らない「選挙勝利の方程式」でした。https://t.co/Q7yxIZAo89
— 前嶋和弘 (@kmaeshima) July 7, 2025
マスク氏の挑戦が既存の政治秩序に変革をもたらすのか、それとも一時的な話題にとどまるのか、注目が集まっています。

トランプ大統領との蜜月は短かったイーロン・マスク氏 ホワイトハウスHPより






