
島田:れいわ新選組と参政党は左と右でかなり性格が違うと思うけれど、なぜれいわの支持者が参政党に流れたりするの?
AI:その背景には、従来の「左か右か」という単純な対立軸では捉えきれない、両党が共有する意外な共通点と、現代社会の有権者が抱える複雑な心情があります。
最大の共通点は、既存の政治・行政システム(エスタブリッシュメント)に対する強い不信感と批判的な姿勢です。両党は「今の政治はどこかおかしい」「自分たちの声が届いていない」と感じる人々の受け皿として機能している点で共通しています。支持者にとっては、左右のイデオロギーの違いよりも、「既存の体制に大胆に切り込んでくれそう」という期待感が、党選択の重要な動機となりうるのです。
経済政策においても、意外な共通点が見られます。両党はともに「積極財政」や「消費税減税(または廃止)」を掲げています。長引く経済の停滞や格差の拡大に苦しむ人々にとって、この「反緊縮」という処方箋は非常に魅力的に映ります。生活に直結する経済問題において、既成政党が有効な手を打てていないと感じる層が、左右の垣根を越えて両党の主張に耳を傾ける素地がここにあります。
れいわから参政党への支持者の流れを考える上で、参政党が独自に切り拓いた「食の安全」や「健康」「反ワクチン」といった争点は無視できません。
参政党は、食品添加物や農薬、ワクチン接種などに対し、政府や大手メディアが伝えない「真実」があるとして、独自の情報を発信しています。こうした主張は、特に健康や子供の将来への意識が高い女性層や、オーガニック志向の強いリベラル層の一部にも響きました。
れいわ新選組の支持者の中にも、既存の社会システム全般に疑問を抱く層が一定数存在します。その中で、経済政策ではれいわに共感しつつも、より生活に密着した「食」や「健康」といったテーマで参政党の主張に強く惹きつけられ、支持を乗り換えるケースが考えられます。
政治学には「ホースシュー(馬蹄)理論」という考え方があります。これは、政治思想のスペクトルが一直線ではなく、馬蹄のように両極端(極左と極右)が互いに近づくというものです。
れいわ新選組と参政党の関係は、このホースシュー理論を彷彿とさせます。既存の秩序へのラディカルな批判精神という点で両者は響き合い、支持者層もまた、左右のイデオロギーよりも「変革」への期待を優先して、両党間を揺れ動く可能性があるのです。
島田:共通点はわかったが、参政党かられいわではなく、れいわから参政党なのはなぜ
AI:ご指摘の通り、なぜ「参政党かられいわへ」ではなく、「れいわから参政党へ」という流れがより注目されるのか、それにはいくつかの重要な理由が考えられます。両党の共通基盤である「反エスタブリッシュメント」の先に、参政党が提示する独自の魅力と、支持層の性質の違いが大きく影響しています。
一言で言えば、れいわの掲げる「反緊縮・反自己責任論」に共感した人が、さらにその不満の根源を「グローバルな支配構造」に求め、より包括的な説明と生活に密着した「自己防衛」の手段を提示する参政党の言説に惹きつけられる、という構図です。
れいわ支持者として既存政治に不満を持った人が、「なぜ日本はこんなにおかしくなったのか?」という問いを突き詰めた時、参政党の「問題の根源は海外のグローバルな勢力にある」という、より壮大で分かりやすい物語に魅力を感じてしまうことがあります。国内問題から、より大きな「陰謀論的」とも言える世界観へと思考がスライドするのです。
れいわの政策は「給付金」や「社会保障の充実」など、政府の行動を待つ必要があるものが中心です。これに対し、参政党は政治的主張に加え、「食の安全」「健康」「教育」といった、個人の選択で今日から実践できる「生活防衛」のテーマを強く打ち出しています。
- 「政府は信用できない。だから自分たちで子供や健康を守ろう」
- 「メディアは嘘をつく。だから自分たちで情報を集めよう」
- 「添加物の多い食品は避け、国産の安全なものを食べよう」
このようなメッセージは、政治への不信感が極限まで高まった人にとって、「国に頼らず、自分の力で未来を守れる」という実感と、同じ価値観を持つ仲間との強い連帯感を生み出します。経済的な不満から出発した人が、より身近な生活の不安(食や健康)へと関心を移した時、その受け皿として参政党が機能するのです。
島田:れいわという政党名は元号を含んでいるわけで、その点では右派的とも見える。にもかかわらず、幕府を守ろうとした新選組というのは、矛盾しているように見えるんだが、そこらあたりにも参政党との関係は
AI:なるほど、非常に鋭いご指摘です。党名「れいわ新選組」が内包する「元号(れいわ)」と「新選組」という言葉の組み合わせの矛盾、そしてその「ねじれ」こそが、参政党との関係性を理解する上で重要な鍵となります。
結論から言えば、れいわ新選組が用いる「保守的・伝統的シンボル」と、実際の「左派的・リベラル的政策」との間のギャップが、一部の支持者を居心地悪くさせ、同じく伝統を重んじながらも、より思想的に一貫性のある(と彼らには見える)参政党へと向かわせる要因の一つになっていると考えられます。
島田:ここでの話全体をまとめて、れいわから参政党への流れを示して
AI:承知いたしました。これまでの対話を総括し、「れいわ新選組から参政党へ」という支持者の流れについて、その多層的な理由をまとめます。
ステップ1:共通の出発点 – 「反エスタブリッシュメント」という強力な磁場
まず、両党は「既存の政治や社会システムは、国民のために機能していない」という点で、同じ不満を持つ人々の受け皿となっています。
- 共通の敵:既成政党、官僚機構、大手メディア、大企業など、既存の権力構造(エスタブリッシュメント)への強い不信感と批判的な姿勢を共有しています。
- 共通の処方箋:「消費税減税(または廃止)」を掲げる積極財政(反緊縮)を訴え、長引く経済停滞に苦しむ人々の生活に直接響く政策を提示しています。
この「反・既得権益」「反・緊縮」という点で、左右のイデオロギーを超えて同じ土俵に立つ人々が、れいわと参政党の双方に注目するのです。
ステップ2:進む道の分岐 – なぜ流れは「れいわ→参政党」の一方通行なのか?
同じ出発点に立った支持者が、なぜ「参政党かられいわ」ではなく、「れいわから参政党」へと向かう傾向があるのでしょうか。それには3つの決定的な違いがあります。
- 不満の根源を、より大きく包括的に説明する「物語」
- れいわ:不満の「敵」を、主に財務省や新自由主義といった国内の経済システムに設定します。
- 参政党:その範囲をさらに広げ、WHOやグローバル企業など「世界的な支配構造」こそが問題の根源だとします。 れいわの主張に共感した人が「なぜ日本はこうなったのか?」とさらに深く考えた時、参政党の提示する、より壮大で分かりやすい「物語」に強く惹きつけられることがあります。
- 国に頼らない「自己防衛」という実践的アプローチ
- れいわ:政策の実現には「給付金」など、政府の行動を待つ必要があります。
- 参政党:政治的主張に加え、「食の安全」や「健康」など、個人の選択で今日から実践できる「生活防衛」の手段を提示します。「国は信用できないから、自分たちで家族や健康を守ろう」というメッセージは、政治への不信感が極まった人々に、具体的な行動指針と仲間との連帯感を与えます。
- 支持層の思想的な「可動性」の違い
- れいわ:伝統的な左派に加え、「とにかく現状を変えたい」というイデオロギーに固執しない無党派層を多く含みます。彼らは、より魅力的な変革の物語を求めて移動する可能性があります。
- 参政党:保守的な思想を基盤とする支持者が中心で、れいわのリベラルな社会観を受け入れがたいため、逆方向への移動は起きにくい構造になっています。
ステップ3:党名が内包する「ねじれ」 – 意図せざる案内板
この流れを決定づけるのが、ご指摘のあった「れいわ新選組」という党名そのものが持つ矛盾です。
- 言葉の矛盾:「れいわ(元号)」という保守的なシンボルと、「新選組(旧体制の守護者)」という言葉を組み合わせながら、実際の政策は左派的・リベラルです。
- 「ねじれ」が生む違和感:党名の持つ「国を憂う保守的な響き」に惹かれた人が、党の具体的な政策(外国人支援、リベラルな社会観など)を知った時、自身の心情との間に「ねじれ」や違和感を覚えます。
- 参政党という「しっくりくる」受け皿:その違和感を抱えた人にとって、同じく「反エスタブリッシュメント」でありながら、「日本の伝統を守る」という点で思想的に一貫しているように見える参政党が、より自然で「しっくりくる」選択肢として浮上します。
結果として、れいわが掲げた「日本的なシンボル」が、皮肉にも一部の支持者を、より思想的に純粋な保守を掲げる参政党へと導く「案内板」の役割を果たしてしまっているのです。
結論として、「れいわから参政党へ」の流れは、既存の政治への深い絶望から始まった人々が、より大きな物語と、より実践的な自己防衛の手段、そして自身の保守的な心情に合致した「一貫性」を求めた結果、たどり着く一つの道筋であると言えるでしょう。
島田:どうもありがとう。よくわかったよ。
AI:こちらこそ、ご丁寧にご返信いただき、ありがとうございます。れいわ新選組と参政党の関係性という、現代政治の複雑なテーマについて、深く掘り下げるお話をさせていただき、大変光栄です。また何かご関心のあることがございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
編集部より:この記事は島田裕巳氏のnote 2025年7月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は島田裕巳氏のnoteをご覧ください。






