オルツ、売上9割を過大計上で上場廃止・民事再生:東証と監査は何を見ていた?

人工知能(AI)開発企業のオルツは、2024年10月に東証グロース市場へ上場しましたが、過去の決算において最大9割にのぼる売上高を過大計上していたことが明らかとなり、2025年8月31日付で上場廃止となることが決定されました。

これは新規上場時の申請書類に虚偽の情報が記載されていたことによるもので、東京証券取引所は「極めて重要かつ巨額な虚偽」として重大な違反と認定しています。

オルツは、主力の議事録作成サービス「AI GIJIROKU」において、実態のない取引を売上に計上し、広告代理店などを介して循環取引を行っていました。

その結果、2021年から2024年にかけて約119億円の売上、115億円超の広告宣伝費、13億円超の研究開発費を過大に計上していたと、第三者委員会が28日に報告しています。実際の有料利用者も公表値と大きく乖離しており、不正の規模と悪質さが浮き彫りになっています。

これを受けて、同社は7月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、約24億円の負債を抱える中でスポンサー支援による再建を目指すとしています。現在は最高財務責任者の日置友輔氏が社長を兼務し、裁判所と監督委員のもとで事業の継続を図る方針です。

日本取引所グループのCEOは「IPOや監査制度の信頼を揺るがす事態で遺憾」と述べ、再発防止策の検討を進める意向を示しました。主幹事であった大和証券のCFOも「投資家に損失が発生したことは遺憾」としつつ、審査体制の適切性を強調しました。

https://twitter.com/2okutameo/status/1950490230978682896

オルツの事例は、過去に上場後短期間で不祥事により上場廃止となった企業と同様、監査や審査の在り方が問われる深刻な事案となっています。

https://twitter.com/txjmdagjmwtjm/status/1950486191561994721

オルツ HPより