スペイン:民主主義を破壊する最悪の首相サンチェス
サンチェス氏が2018年に首相に就任してから7年が経過した。スペインの民主化以降、彼は最悪の首相とされている。政権運営には常に問題が指摘されており、2023年8月の総選挙では、彼の所属する社会労働党(PSOE)は120議席にとどまり、対立する国民党(PP)は137議席を獲得し、社会労働党は敗北した。それにもかかわらず、サンチェス氏は依然として首相の座に留まっている。
その背景には、過半数である176議席を確保するために、共産主義政党やバスク独立派政党、元テロ組織系政党、カタルーニャ独立派政党などと連携しているという事情がある。

ペドロ・サンチェス首相インスタグラムより
さらに近年、彼の周囲では汚職が次々と発覚している。夫人や弟を含め、現在までに計27人が汚職容疑で起訴されている。それでもなお、サンチェス首相は辞任する意思を見せていない。彼には自責の念がまったくなく、首相の座を維持するためにはいかなる犠牲も厭わない人物だとされる。
独立派政党を味方につけるために、スペインの統一を損なうような譲歩を繰り返している。サンチェス氏は、そうした行為を平然と実行し、首相の座にしがみつき続けている。
メキシコ:トランプ氏の高関税から逃れる条件はフェンタニル遮断
トランプ前米大統領は、メキシコに対して30%の高関税を課す方針を打ち出したが、その適用には90日の猶予期間が設けられた。トランプ氏が本当に期待しているのは、合成麻薬フェンタニルをアメリカに流入させている2大カルテルのひとつ、カルテル・デ・ハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオン(CJNG)の創設者メネシオ・セゲラ(通称エル・メンチョ)の逮捕と米国への送還である。
もう一方のシナロア・カルテルの創設者ホアキン・グスマン(エル・チャポ)はすでに米国で無期懲役刑に服しており、その右腕も最近米国で収監された。
エルサルバドル:ブケレ大統領、無期限続投可能に
2025年7月31日、エルサルバドル議会はブケレ大統領の再選を制限していた憲法を改正し、無期限での大統領就任が可能となった。議席数50のうち、反対したのはわずか3議席で、残る47議席はブケレ氏率いる政党の議員である。すなわち、議会によって独裁体制が正式に承認されたことになる。
長年にわたり犯罪が蔓延していたエルサルバドルだが、ブケレ氏が2019年に就任して以降、3つの主要ギャング組織のメンバーを、逮捕状もなく次々に拘束し、刑務所に収監してきた。たとえば2015年には月に1,700人が殺害されていたが、昨年は年間180人と、極端に犯罪が減少している。
4万人を収容できる巨大刑務所も完成し、すでに2万人が収容されている。彼らが全員ギャングであるという確たる証拠はないものの、不審者は片っ端から拘束されているという。国民は治安の改善と引き換えに、ブケレ氏が無期限で政権を維持することを容認したのである。
ベネズエラ:米国、マドゥロ大統領に25万ドルの報奨金
米国はついに、ベネズエラのマドゥロ大統領の逮捕に対して25万ドルの報奨金を提示した。背景には、主にコロンビア産のコカインがベネズエラを経由して米国に流入しているという問題がある。その流通を担っているのが、軍人によって構成されたベネズエラの麻薬組織「カルテル・デ・ロス・ソレス(太陽のカルテル)」である。
このカルテルを率いるのが、マドゥロ大統領と憲法議会議長デオスダド・カベーリョ氏である。
もともとこの仕組みは、チャベス前大統領時代に、コロンビアのゲリラ組織FARCと提携し、コロンビア産のコカインをベネズエラ経由で米国に流すルートを構築したことに始まる。その後FARCは和平協定により消滅したが、新たに民族解放軍(ELN)が同様の手法で、ベネズエラの軍組織を通じて麻薬を流通させている。そしてその頂点にいるのが、マドゥロ大統領だと米国政府は見なしている。







