渋谷の再開発のカオスはいつになったら解消されるのか?

久しぶりに渋谷駅に出かけました。駅の周辺では東急グループが主導する再開発工事が相変わらず続いています。

渋谷のような人がたくさん集まるターミナル駅で降りるのは苦手なのですが用事があったので仕方ありません。

しかも、ただでさえ人の多い駅は避けたいのに、渋谷駅は再開発であちこち工事をして道路が迷路のようになっています。

あちこちで道路が工事のために遮断されていて、別の道を歩かなければならず、目的地の方向が分かっているのに思ったように進むことができません。

この日はメトロ銀座線渋谷駅を降りて桜ヶ丘方面に向かうことにしたのですが、工事で道がすっかり変わっており迷子になりました。1階に降りると道路が渡れなくなって再び2階に上がったりと、かなりの回り道になりようやく目的地に着くことができました。

渋谷は以前よく利用していた駅なので土地勘がある方ですが、もはや街全体の構造が把握できないカオス状態になっています。今後再開発の工事が終了すれば歩きにくい街はわかりやすく解消されるのでしょうか?

スペインのバルセロナにサグラダファミリアという建築物があります。芸術家のガウディが作り始めた建築物で、いつまでたっても工事が続いて完成しないことで話題になっている観光地です。渋谷の街を歩いていて、このサグラダファミリアを思い出しました。

あるいは渋谷の街は温泉旅館にも何だか似ています。

毎日大量の乗降客が利用する交通インフラを通常営業させながら、街の再開発を行っていくのは簡単ではありません。既存の鉄道路線を前提にその周りに建物を次々と増築していく。

グランドデザインが無いまま、ツギハギのように建設が進み最終的に完成したとして、果たして利便性の高い魅力的な街が作られるのでしょうか?

もしかしたら、この再開発が渋谷離れを招き、街として衰退していくきっかけになるかもしれません。ターゲットとしている世代ではないからかもしれませんが、少なくとも私には魅力を感じさせない街です。

渋谷の再開発で果たして渋谷は復活するのか?興味深く見守っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年8月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。