AI企業オルツ旧経営陣が逮捕の教訓:上場前から粉飾決算でスピード倒産

10月9日、AI議事録サービス「AI GIJIROKU」などを運営していたオルツ(上場廃止)の旧経営陣が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で東京地検特捜部に逮捕された。上場前からの架空取引によって売上を水増しし、投資家を欺いていた疑いがある。

  • 逮捕者:創業者の米倉千貴元社長(48)や日置友輔前社長(34)など計4人。
  • 容疑内容:2022~2024年にかけて、実際は約17億円の売上しかなかったのに、約111億円を虚偽計上した疑い。
  • 手口:取引先との間で広告費などを循環させ、自社の売上として計上する「循環取引」を繰り返していた。
  • 上場から倒産まで:2024年10月に上場後、不正発覚で株価が急落。2025年7月に上場廃止と民事再生申請に追い込まれた。
  • 被害規模:個人投資家らが損害賠償を準備しており、監査体制や上場審査の甘さも問題視されている。
  • 旧経営陣の対応:一部は容疑を認めているとされ、特捜部は資金の流れや関係企業への資金還流を追及中。
  • 会社側コメント:「事態を重く受け止め、捜査に全面協力する」と声明を発表。

今回の事件は、上場後わずか10か月での崩壊という異例のスピード倒産となった。AI業界の信頼を揺るがす粉飾事件として、審査制度や監査の在り方が問われている。

オルツ元社長・米倉千貴(本名:姜千貴)容疑者 同社HPより