野党統一の遠い道:安住氏の呼びかけが示す立憲の限界

立憲民主党HPより

26年だぞ、26年。自公連立が続いた年月だ。それが解消された。公明党の斉藤代表が「政治と金がどうの」と言って飛び出した。ニュース速報が流れた瞬間、正直思った——チャンスじゃん、と。

でも次の瞬間、すぐに分かった。ああ、またあのパターンか、と。

安住さん、それは違うでしょ

立憲の安住幹事長がまず呼びかけたのは、共産党とれいわ。いや待て待て。国民民主は?維新は?

玉木さん、政権交代にも言及してたじゃないですか。関西で維新がどれだけ強いか、知らないわけないでしょ。というか、ちょっと前まで同じ党だった仲間もいるのに。

算数の時間である。電卓いらないレベルの簡単な計算。

  • 自民党:196議席
  • 立憲民主党:148議席
  • 維新:35議席
  • 国民民主党:27議席
  • 公明党:24議席
  • れいわ:9議席
  • 共産党:8議席
  • 過半数:224議席

立憲+共産+れいわ=165議席。

59議席足りない。

ねえ、これで何する気? 気合と根性で票が増えると?

国民民主と維新を足せば227議席。過半数超えるんですよ。超えるんですよ。いや分かる。分かりますよ。理念とか、支持基盤とか、歴史的経緯とか。でもそれ、政権取ってから言えば?

共産党は自衛隊の段階的解消を主張してる。れいわは、まあ、あの感じ(言葉を選んでます)。国民民主が同じテーブルにつくわけないじゃん。維新なんて「共産党と組むくらいなら自民と組む」って明言してる人もいるのに。

これ、失敗するためにやってんのかな、と思うレベル。というか、なんで毎回こうなる

野党統一の話って、何回目?毎回同じパターン。「反自民で集まろう!」→「でも政策が」→「いや理念が」→「支持者が納得しない」→解散。

自民党にとって、これほどありがたい野党もないだろう。勝手に内輪揉めして、勝手に分裂して、勝手に弱体化する。公明党が抜けても、国民民主や維新とちょいちょい協力すれば法案通せるじゃん。

実際、玉木さん「是々非々で対応します」って言ってるし。つまり立憲のこの動きで、自民党を全く困らせてない。

誰が首相になると思う? 高市早苗でしょ、たぶん。

別に俺が支持してるわけじゃないよ(念のため)。でも政治は数だから。自民党は公明なしでもやっていける算段がある。野党は統一できない。だったら答えは一つ。

立憲が「野党統一!」って騒いでる間に、自民党は着々と次の政権の準備してる。その差が、そのまま結果になる。

野党に必要なのは、イデオロギーの純粋性より数の論理だって、いい加減気づいてほしい。優先順位つけろよ。政権取りたいなら。

取りたくないなら別にいい。万年野党でいればいい。「我々は理念を曲げない!」って胸張って言えばいい。でもそれなら、政権交代がどうのこうの言わないことだな。

(あ、言い過ぎた?まあいいか。)

公明党が自民から離れたのは、チャンスなんですよ。本当に。でもそのチャンスを活かせない野党。これが日本政治の現実。

結局、またいつものパターン。野党は内輪揉め、自民党は笑いが止まらない、有権者はため息。疲れるよね、ホント。

※ この記事は筆者の個人的見解であり、特定の政党や政治家を支持・批判するものではありません(建前)。でもまあ、思うところはあるよね(本音)。

尾藤 克之(コラムニスト、著述家)

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