「60歳からの」美食入門

50歳からの美食入門』(写真)という書籍を読みました。食の専門家によるシニアの外食の楽しみ方についてのヒントが掲載されています。レストランとの向き合い方についての考え方などにいくつかの気付きも得られました。

ただ私はもう60代ですから「50歳からの」ではなく「60歳からの」になります。そして食べているのは美食ばかりではなく、B級グルメも大好きです。実際に本の中で紹介されているお店は私の好みとは随分違うと思いました。著者の大木さんどは食や飲食店に対する考え方も違います。

私はグルメ評論家ではありませんから、お店の選択基準は自分が「好きか嫌いか」だけです。

店主が威張って客が委縮しているようなお店には美味しく有名なお店でも行きませんし、大好きなお店でも自分が一緒に行きたいと思わないメンバーとは行こうとは思いません。

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また、価格の絶対値よりも「価値>価格」であることを重視します。1万円の価値があるものを8,000円で食べられるお店より10万円のものを7万円で食べられるお店に行きたいという考えです。高くてもそれに見合うなら躊躇せず行ってみたいと思ってしまいます。

食事はお酒を一緒に楽しむことを前提にしています。吉野家の牛丼やココ壱番屋のカレーのようなファストフードは別ですが、レストランでも居酒屋でも食事をするときにはそれに合うお酒を楽しみたいと思っています。

お寿司なら日本酒、イタリアンならワイン、もつ焼きならホッピーと必ずしも高いお酒である必要はありません。日本酒も純米大吟醸の高級酒より醸造酒のようなお酒の方がお料理に合ったりします。

そして60代の男性になると同世代と一緒ならともかく、若手を食事に誘う時は男女問わず支払いを負担するのが原則です。「割り勘当たり前おじさん」とは何か特別な理由が無ければ2回目の食事に行こうとは思いません。

会計を気にしないで食事ができるようにするには経済的な余裕も重要です。

大木さんが書いている中で大きく共感したのは健康でなければ食事は楽しめないし、食べすぎで崩れた体型は恰好悪いという記述です。

不健康になってしまえば好きなものが食べられなくなるし、鏡や写真に写った自分に自己嫌悪に陥る。そうならないために節制と運動が必要。これは年齢と共に基礎代謝が下がるシニアには極めて重要です。

あと何年好きなものを食べて飲めるのかはわかりませんが、悔いの無いように毎日を楽しく自分のやりたいように過ごしたいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年10月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。