【更新】政治家はなぜインフレのとき補助金をばらまくのか

「インフレの最中に財政出動するのはおかしい」というと、「コストプッシュ・インフレには財政出動がきく」と反論してくる人がいるが、この言葉は、経済学の教科書や専門書をさがしても出てこない。しょうがないので、チャットGPTに聞いてみた。

Q. コストプッシュ・インフレって何?

インフレは総需要(AD)が総供給(AS)を上回ったとき起こります。総供給が減って(AS曲線が左にシフトして)AS’になると、物価はP’に上がります。

Wikipedia

これを「コストプッシュ・インフレ」と呼び、総需要が増えて起こる「デマンドプル・インフレ」と区別する人がいますが、どっちも

総需要>総供給

なので、統計的には区別できません。

Q. 原油価格が上がっているとき、補助金を出すのはなぜ?

インフレのとき、総需要を増やす補助金や減税は逆効果ですが、それを主張する人たちには、ある一定の論理的背景があります。

原油が値上がりして物価が上がると、家計の可処分所得が減ります。このとき補助金でガソリンの値上がりを防ぐと「実質所得の下支え」ができます。これは短期的な痛み止めで、ガソリンの価格(小売価格+補助金)は同じです。

たとえばリッター170円のガソリンが200円に上がったとき、石油元売りに30円の補助金を出すと小売価格は同じです。値上がりすると、上の図でP’に価格が上がって可処分所得がY’に減るのですが、補助金で価格を下げるとYは減りません。

だから国民が「政府がガソリンを値下げしてくれてうれしい」と思うのは、感情論による錯覚で、政治家はそれに迎合しているのです。

Q. 政府が総需要を追加したら物価は上がるんじゃないの?

その通りです。小売価格が上がると、消費者は節約するので総需要は減るのですが、政府が補助金を出すと総需要は変わらず、補助金の分だけ総需要が追加されます。

その結果、マネーサプライが増えて物価が上がります。補助金が出ているうちは小売価格は変わりませんが、補助金が切れるとPからP’に一挙に物価が上がり、パニックになります。

それに対して総需要を増やしても、供給力が上がるので物価は上がらないというのが、アメリカ民主党政権でイエレンのとなえた高圧経済の理論です。

Q. インフレにならない財政出動なんてできるの?

おっしゃる通りです。実際の政治・財政運営では次のような問題が起きます。

  • 補助金・減税などの即効策は需要を直接に刺激する。
  • 供給力を拡大する公共投資の効果は不確実で時間がかかる。
  • その結果、インフレの火に油を注ぐ


インフレ抑制法がインフレの火に油を注いだ

失敗例:2020年代のアメリカ
  • パンデミックが終わった後も巨額の財政出動を実施。
  • グリーン投資を増やすインフレ抑制法でインフレが加速。
  • 2022年には消費者物価上昇率が9%超になった。

Q. 日本のインフレはどうすればいいのかな?

今の日本のインフレは、原因が明確です。

原油価格の上昇
  • 生産・加工・輸送すべてに電力・燃料費がかかる。
  • 2022年以降の電気代高騰が、製造・冷蔵・物流コストを直撃。
  • ガソリン代・運送料の上昇も、最終的に小売価格に反映されている。
人手不足による人件費上昇
  • 外食・小売・運送・倉庫など、食品関連産業は慢性的な人手不足
  • 2024〜2025年にかけて、時給引き上げ・物流2024年問題も重なり、人件費が物価転嫁の要因になっている。

もう一つの原因は円安ですが、これは日銀が利上げして円高に誘導するしかない。インフレに対してできる財政政策はありません。バラマキで財政赤字を増やすと、財政不安が高まって投機筋が円を売り、インフレがひどくなります。