高市早苗首相が、売春防止法の処罰対象を「買春側」にまで広げる検討を指示したことで、性搾取対策と刑事政策のあり方が改めて議論になっている。現行法の構造そのものを問い直す必要性も浮かび上がっている。
- 高市首相は11日の衆院予算委で、買春側の処罰拡大について法相に検討を指示したと明らかにした。
- 現行の売春防止法は、売買春自体に罰則を設けておらず、売る側の「客待ち」や勧誘だけが処罰対象になっている。
- 買春側のみを処罰する案には、「自発的売春と搾取された売春を同列に扱う」「片側だけ罪にするのは収賄・贈賄の関係と比べても不自然」との批判がある。
- 買い手だけ罰する構造は、単なる金銭トラブルでも女性が一方的に「被害申告」できる仕組みを生みかねないとの指摘もある。
- 国際的には売春規制を緩和し労働安全を確保する国が増えており、日本の規制強化は「家父長主義的で人権軽視だ」との懸念も出ている。
買春処罰の拡大は、被害者保護だけでなく、法体系の公平性や国際的な潮流との整合性をどう確保するかという重い課題を抱えている。高市政権がどこまで制度の矛盾に向き合うかが、今後の焦点になる。

衆院予算委員会で答弁する高市首相 自民党HPより






