エアコンが「2027年問題」で2倍の価格に?:格安機が消える「見えない増税」の衝撃

国の省エネ基準見直しによって、現在10〜15万円で買える「格安エアコン」が市場から消える可能性が現実味を帯びてきた。政府は「脱炭素」の名のもとに2027年度の省エネ規制を大幅強化するが、その結果として、実質的な「見えない増税」が家計を直撃しつつある。現場の家電量販店からは、すでに“急いで買い替えを”という声まで出ている。

参照:ご存じ?「エアコン2027年問題」とは?国の省エネ基準の見直し 安いエアコンが市場からなくなる可能性 SBC信越放送

  • 国は2027年度を目標に、家庭用エアコンの省エネ基準を大幅に引き上げる方針を発表。暖房・冷房効率を現行より13.8%〜34.7%改善することを求める。
  • この基準は「トップランナー方式」。市場で最も省エネ性能が高い上位機種を基準値とするため、既存の安価モデルの多くが基準未達となり「販売不可」となる可能性が高い。
  • 長野市内の家電量販店ジョーシンでは、展示されているエアコンの6〜7割が2027年目標を未達成。店長は「格安モデルが市場から消えるのはほぼ確実」とコメント。
  • 現行の“格安エアコン”は工賃込みで約14万円だが、基準を満たす高性能モデルは約32万円とおよそ2倍近い価格差。「定価45万円」の上位機種だけが基準を満たしているメーカーもある。
  • 暖房は家庭のエネルギー消費の2〜4割を占め、省エネ化は重要とされる一方、費用対効果の検証が不十分なまま強制的な規制だけが先行しているとの批判が相次ぐ。
  • とくに影響が大きいのは賃貸オーナー。2014年以前の古い機種が多い物件では、2027年以降に故障ラッシュ → 修理不可 → 高額買い替えの連続という「最悪シナリオ」が懸念されている。
  • SNS上では「脱炭素を言い訳に何でも正当化される風潮は危険」「これは見えない増税だ」「エアコンだけ目の敵にするのはおかしい」といった批判が噴出。
  • 家電量販店からは「2026年春までの駆け込み需要は確実に増える」と警告が出ている。
  • 体育館や学校の空調設置率の低さが議論される中、規制強化で公共施設の空調コストも膨らむ懸念がある。大手空調メーカーは高価格帯への移行で安泰との見方も。
  • 適合しない海外製品があふれ、国産メーカーは割を食うのではないかるのではないかという憶測も。

2027年省エネ基準の見直しは、環境負荷削減を掲げつつ、実際には生活必需品であるエアコンの価格を大幅に押し上げる「隠れた増税」になりつつある。省エネの名の下に費用対効果を無視すれば、地球環境よりも先に私たちの暮らしが壊れてしまう懸念が生まれている。

2027年以降エアコンが壊れても気軽に買い換えられなくなる?