12月1日で紙の健康保険証が事実上の役目を終え、2日からはマイナ保険証と資格確認書へ本格移行する。政府は利便性や不正防止の観点から移行を急ぐが、医療現場では一部混乱も生じている。一方で、紙の保険証を守ろうとする政治勢力や業界団体の背景には、不正利用の温床になってきた「利権構造」があるとの指摘も根強い。移行に伴う課題と、いまなお残る抵抗勢力の実態を整理する。
- 紙の健康保険証は12月1日で期限切れとなり、2日以降の医療受診は原則「マイナ保険証」もしくは「資格確認書」に移行。厚労省は混乱回避のため、紙の保険証でも来年3月末まで特例的に受診可能とした。
- マイナ保険証では、保険資格の有無だけでなく、過去の投薬歴や既往症など医療情報の閲覧が可能となり、救急現場でも活用が始まっている。本人が意識不明でも医師が迅速に情報にアクセスでき、救命率を向上させるメリットがある。
- 一方、紙の保険証を悪用した「なりすまし医療」や薬剤大量取得の横流し問題が長年指摘されてきた。特に一部の医師団体や関係業界が、紙証のままの方が利益が出る構造にあり、強硬にマイナ反対を続けてきた背景がある。
- 医療現場では資格確認時にトラブルが発生するケースもあるが、政府・自治体はシステム改善と支援員配置を進めており、課題は技術的な範囲で収束可能なレベルとみられる。逆に紙保険証は、他人に貸しても医療機関側が損をしないため、不正が見抜きづらい構造的欠陥が残り続ける。
- 野党の一部や支持団体が紙保険証維持に固執するが、その裏には、旧来の支持基盤である高齢層・労組・特定業界の利害が絡む。「弱者に寄り添う」という名目で、不正請求を助長し制度を歪めているとの批判も強い。
- マイナ保険証に統合すれば、紙の保険証の貸し借りで不正受診する外国人問題や、通名による識別の難しさも解消される。保険財政の持続性を高めるためにも、日本国民の負担を守る仕組みが不可欠だ。
- いまだに「紙の保険証を守れ」と叫ぶ政治家がいるが、背景には高齢者票や業界利権があり、現役世代の視点からは「時代遅れの逆進的な保護政策」に映っている。紙保険証を温存すれば、AI活用や医療DXの阻害要因となり、日本がますます非効率な社会が温存される懸念も高まっている。
マイナ保険証への移行は、利便性向上と医療安全、そして何より不正利用の徹底防止という観点で避けて通れない。紙の保険証に固執する勢力は、国民医療を守る立場よりも自らの利権維持を優先しているとの批判が後を絶たない。医療制度を持続させるためには、古い仕組みを温存して利益を得る型構造を断ち切り、日本国民のための医療制度へと舵を切ることが不可欠である。

マイナ保険証 厚労省HPより






