キューバへの教科書の無料配布
2018年に左派のロペス・オブラドール氏が大統領に就任した。彼の跡を継いだシェインバウム氏が大統領になっても、キューバへの支援は止むことなく続いている。米トランプ大統領がメキシコに対し、キューバへの支援を中断するよう圧力をかけると、今度は寄贈という形でそれを継続している。その具体例が、メキシコからキューバへの教科書の無料配布である。
当初、シェインバウム大統領政府は710万冊の教科書を印刷し、キューバへ輸出する計画で進めていた。その金額は1090万ドルにのぼるという。ところが、トランプ政権による圧力でキューバのカストロ体制の維持が困難に陥っている。
キューバへの支援を継続するのであれば、米国はメキシコ製品への関税を引き上げるとメキシコを脅している。
それをかわすべく、シェインバウム政権は教科書をキューバに贈呈する形にした。既に昨年11月までに400万冊がキューバに送られていた。残り3万冊余りが発送予定となっており、それを贈呈という形で発送することにしたものだ。原油と違い、学校の教科書はキューバの経済締め付けには関係がないため、米国もそれについては黙認すると見ているのだろう。

メキシコ クラウディア・シェインバウム大統領 同大統領インスタグラムより
教科書はカストロ体制を維持するための内容
最初の400万冊が取引という形で発送されてはいるが、もともと資金難のキューバである。キューバに支払い能力がないのは明らかだ。それでも左派のシェインバウム大統領は、カストロ体制維持に協力すべく教科書を発送した。
この教科書の内容は、カストロ体制を維持するための編集になっている。チェ・ゲバラへの忠誠を誓い、フィデル・カストロを讃える内容だ。
幼児の頃から生徒に社会主義思想を植え付けるのが狙いである。その結果が、現在の破綻したキューバの姿だ。一般の民主主義国家では編纂できない内容であるが、現在のメキシコ左派政権はキューバに高い親近感を示している。
それもそのはずで、シェインバウム大統領は、コロンビアに存在したゲリラ組織M-19のメンバーだったと噂されている。コロンビアの同組織の元戦闘員だったペトロ大統領がそれを明らかにしている。しかし、政治的圧力があったのか、その後この件についてメディアでの追及は広がっていない。
キューバへの教科書作成費は3300万ドル
ロペス・オブラドール前大統領政権下から始まり、これまで3300万ドルの費用がキューバ向け教科書の作成に充てられている。ロペス・オブラドール前大統領以前の、80年続いた右派政権のメキシコではキューバ支援は全く考慮外だった。
トランプ大統領は、ベネズエラ・コロンビア・キューバを麻薬密売に関わる「3悪国」と見なしている。それに準じる形でメキシコの現政権を見ている。
トランプ大統領にとって、ベネズエラは原油の重要な供給国に育てる意向があり、キューバは米国の巨大リゾート地として発展させる意向のようだ。コロンビアについてはコカイン栽培の撲滅を目指している。







