金融機関に騙されないために今すぐやるべきこと

内藤 忍

「金融機関に騙されない」と聞くと、多くの人は「詐欺」を想像するかもしれません。確かに最近も詐欺まがいの営業活動をしていた外資系金融機関も存在しました。

しかし個人投資家が本当に警戒すべきは法を犯す詐欺より合法的に親切な顔をして近づき、結局「カモ」にされてしまう。そんな金融機関のプロの人たちとのお付き合いです。

彼らは決して「騙そう」としているわけではありません。ただ「自社の利益を最大化する商品」を勧めているだけです。

「サギ」よりも「カモ」に気を付けろという訳です。

では金融機関のカモにならないためには何をすべきか。

まず、今すぐやるべきことは銀行や証券会社の対面で取引するのをやめることです。

窓口で担当者が対応してくれる方が情報も得られるし何だか安心という人は多いと思います。しかしそんな親切な担当者は「資産運用のプロ」ではなく「販売のプロ」です。販売ノルマがありますから手数料の高い商品を売ることで会社から高い評価を受けるのです。

彼らにとってのクライアントはお客様ではなく上司です。

「今、これが人気です」
「分配金が毎月出ます」

といったセールストークをされた人は多いと思いますが、これは手数料の高い商品を買わされている可能性が高いのです。

金融機関のカモにされないための対策は簡単です。すぐに店頭取引を一切やめ、ネット証券(マネックス証券、SBI証券、楽天証券など)に口座を移せばよいのです。

実際に自分が払っている手数料を計算してみることでカモから脱皮するメリットを数値化できます。

対面型証券会社や銀行で購入して保有している商品(投資信託やラップ口座)のコストを調べてみてください。

例えば、手数料(信託報酬)が年間1%高いファンドを保有すると、100万円で年間1万円。30年運用すれば最終的な資産額に30万円以上の差が出ます。

ネット証券の投資信託なら年率0.5%以上の信託報酬(年間の手数料)がかかる商品はほとんどありません。

そして、投資の大原則は自分にわからないものには手を出さないことです。

デリバティブを使って組成した複雑な仕組み債や投資信託は無駄なコストがかかっており金融機関に圧倒的に有利な構造になっています。

ネット証券を使って自分で投資判断するようになればこの手の商品の購入を勧誘されてつい購入してしまう失敗をすることが無くなります。

金融商品の運用はネット証券にNISA口座を開設し、低コストのインデックスファンドを毎月の積立で自動購入していく。

このようなシンプルな方法を続けるだけで賢明な投資家へと変わることができます。

まずは手数料という観点から、自分がどのくらい金融機関にコストを払っているかを確認してみることから始めてみましょう。

b-bee/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年3月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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