EU委員長が「脱原発」の誤りを認め原発推進を宣言:取り残される日本

欧州連合(EU)のフォンデアライエン委員長が、これまで欧州が進めてきた脱原発政策について「戦略的な誤りだった」と認めたことで、エネルギー政策をめぐる議論が大きく動き始めている。ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー危機を背景に、欧州では原子力を再評価する動きが強まっている。こうした欧州の政策転換は、化石燃料を輸入するために年間24兆円以上の国富の流出が続く日本のエネルギー政策にも大きな示唆を与えている。

ヨーロッパには、国内産の低炭素エネルギー源が必要だ。原子力エネルギーは、24時間365日利用可能で、年間を通じて電力を供給する。ヨーロッパは原子力技術のパイオニアだった。そして、再びリーダーシップを発揮できる。

  • EUのフォンデアライエン欧州委員長は3月10日、パリの原子力エネルギーサミットで演説し、欧州が原発を縮小してきたことについて「戦略的な誤りだった」と発言した。
  • 欧州では1990年には電力の約3分の1を原子力が占めていたが、現在は約15%程度まで低下している。2011年の福島第一原発事故を契機に、ドイツやベルギーなどが脱原発政策を進めたためである。
  • しかし2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシア産天然ガスへの依存が問題となり、欧州は深刻なエネルギー危機に直面した。電力価格の高騰などを受け、原子力を再評価する動きが広がっている。
  • フランスなどを中心に原発の新設や寿命延長が進められ、EUとしても原子力を低炭素で安定した電源として活用する方針が明確になりつつある。
  • この欧州の政策転換は、日本にとっても重要な教訓である。日本はエネルギー自給率が極めて低く、石油や天然ガスの多くを海外、とりわけ中東に依存している。
  • それにもかかわらず、日本では原発再稼働や新設の議論が遅れ、火力発電への依存が続いている。結果として電気料金は上昇し、産業競争力の低下も懸念されている。
  • 欧州が脱原発の誤りを認めて政策を修正している中、日本だけが原発政策を曖昧なまま放置すれば、エネルギー安全保障の面でも大きなリスクを抱えることになる。

欧州が現実を直視してエネルギー政策を修正し始めた今、日本もまた原発を含めた電源構成を冷静に見直す必要がある。感情論ではなく、エネルギー安全保障と産業基盤を守る国家戦略として、日本のエネルギー政策は根本から再検討されるべき段階に来ている。

ウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員長 同委員長Xより

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