なぜ「食べログ投稿禁止」の飲食店が増えたのか?

内藤 忍

最近、食べログやGoogleマップといったグルメ評価サイトへの投稿を禁止するお店が増えた気がします。

今週出かけた大森にある人気焼き鳥店もお店の壁に「食べログなどのグルメ評価サイトに投稿した場合はグループ全員出禁」と過激な張り紙がしてありました。

ただしフェイスブックなどのSNSへの投稿は問題なく、お店の内部やお料理の写真撮影も自由です。

なぜこのような対応をするのでしょうか?

最大の理由はお店側にこの手のグルメ評価サイトの不透明な評価システムに対する不信感があるからだと思います。

食べログでは過去にも広告契約の有無によって評価点数が影響を受けているのではないかとの疑惑が出てネット上で何度も炎上しました。私も評価に対して違和感を感じるお店(過剰評価店、過小評価店)の存在を感じることがあります。

またグルメ評価サイトの多くはハンドルネームのような匿名で投稿できます。これによって事実に基づかない誹謗中傷や主観的な低評価が投稿されやすい構造にあります。また、過激で極端な評価を投稿する人が増えることで客観性が損なわれていきます。

たまたま入店したことに店員が気が付かなかっただけで「店員の愛想が悪かった」といった接客への不満を投稿したり、自分の口には合わないからという理由で低評価を付ける。このような個人の嗜好が数値化されて一方的にお店に対するネガティブな印象を植え付けられます。

これらは店舗のブランドイメージを傷つけるだけでなく、真面目に働くスタッフにとってはカスタマーハラスメントとも言える耐え難い状況です。

さらに逆の展開もありえます。グルメ評価サイトで高得点がつくと、それを見てたくさんの新規客が押し寄せることがあります。

その結果、今まで普通に利用できた常連客が予約を取れなくなったり、行列ができて入りにくくなってしまいます。逆に高評価を見てきた人たちの中には注目を集めるために「期待外れ」という低評価を書かれたりするマイナスの問題が発生したりします。

そのような事態になると店側は自分たちの価値観を共有できる客とだけ向き合いたいと考えるのは自然なことです。

グルメ評価サイトは「集客の味方」ではなく店にとって、勝手に振り回されるだけの「コントロール不能なリスク」になっています。

このような経緯からグルメ評価サイトへの投稿禁止を選択する店が増えていると考えられます。

グルメ評価サイトの点数が低くても美味しいお店はたくさんあります。そのようなお店の方が客層も良く、入りやすかったりすることも多いのです。

グルメ評価サイトへの投稿禁止の飲食店が増えれば評価に対する信頼性が更に下がることになります。グルメ評価サイトやミシュランのような飲食店への評価の情報を鵜呑みにするのはこれから益々やめた方が良いと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年3月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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