沖縄で味わう、人生で一度のコーヒー体験

2月下旬の沖縄旅行。

旅の最後に訪ねたのは本部町にある中山コーヒー園。沖縄は日本でコーヒーを栽培できる北限の地だそうで、生産量はかなり少ないながらもこちらや本島の他の数か所でコーヒーを生産しているそうです。今回はここでコーヒーの実を収穫、焙煎して最後に引きたてのコーヒーを頂くという他では体験できないツアーに参加しました。

まずはコーヒー園を案内していただきます。園内ではティピカ種やブルボン種、それらを自然交配で誕生したムントノーボ種などを栽培しています。ブラジルで多く栽培されている品種で暑さに強いのかと思いきや、沖縄の夏の暑さで直射日光を浴びてしまうと数年で枯れてしまうそう。海外から取り寄せた品種は数年栽培してみないと実がなるかどうかわからないそうで、異なる環境でコーヒーを栽培することの難しさを教えてくれます。

コーヒー園にはコーヒーとは異なる木々が多く植わっていますが、これらの木がシェードになってコーヒーの木を直射日光から守ってくれます。

一部のコーヒーの木はオーナーがいて、全国の企業や個人、喫茶店などに納品されています。みなさんが知っているお店はありますか?

さて、園内を一周したらいよいよコーヒーの実の収穫開始。プラスチックのカップいっぱいに実を取ってようやく1杯分のコーヒーになります。

コーヒーの実が木になっているのを見たことありますか?わたしは初めてみました。意外にもこんな赤い実。濃い赤に色づいたものを選んで実の付け根を少しひねるようにして収穫します。

10分ほどでコップがいっぱいになりました。これがあの毎日飲んでいるコーヒーになるなんてちょっと想像がつかないですね。

収穫から帰ってきたら看板猫が大胆に寝そべっていました。名前はゴロジロウ。その名の通りゴロゴロしています。

まず、収穫してきたコーヒーの実を水に浮かべます。水に浮くものは実が十分入っていないのでここで除外します。

次に、身を潰すようにして、中の豆を取り出します。1つの実の中に4〜5個の豆が入っています。力のいる作業で、だんだん手がつかれてきます。

取り出した実がこちら。なんとなーくコーヒー豆っぽい。でも色は白くて大豆みたいです。

実から出したばかりの豆はぬめり気があるので、水につけて豆と豆をこすり合わせることでぬめり気をとります。これも結構力がいります。コーヒーって作るのこんな大変なんですね。

次に、コンロの火であぶって実を乾燥させます。茶こしを振ること5、6分。これも地道な作業です。

乾燥したら豆をミキサーにかけて皮を取り、灰色の実を取り出します。これこそがコーヒーの実本体です。

皮はドライヤーで下から風を送ることで飛んでいきます。
たまに実も飛んでいってしまうので注意。

最後にこちらの器に入れて、再びコンロの火であぶります。いよいよ焙煎です。

コンロの火に近づけてふりふり。10分ほど続けます。コンロの火も熱いので夏は大変でしょうね…。

焙煎の締めの段階では天蓋をつけて熱をこもらせて手を振ります。いよいよ最終段階です。

焙煎を終え、扇風機で熱を飛ばした後の豆がこちら。いい色に色づいていて、ようやくコーヒー豆!という感じになりました。ちなみに、赤い実の段階では120グラムほどあったコーヒーの実は、豆の摘出から乾燥、焙煎を経ることで12グラムまで嵩が減ります。

あとは少しずつ豆を挽き、

少しずつ、円を描くように挽いた豆にお湯を注いでいきます。15グラムの豆で100グラムのコーヒーを淹れるのが目安です。

グラスに入れたてのコーヒーを注いでようやく完成!ツアーに参加したメンバーで乾杯します。ツアーが始まってから4時間。苦労して絞り出したコーヒーをありがたく頂きます。沖縄産のコーヒーはまだまだ貴重で市販するときは海外産とブレンドされることが多いので、沖縄産100%のコーヒーなんて今後一生飲めるかどうかわかりません。参加した5人で飲み比べしましたが、人それぞれローストの度合いが違っていて、苦みが濃いものがあるなど個性がありました。少しの豆の煎り方で味が変わるコーヒーの世界の奥深さを知りました。

コーヒーの実の殻から搾ったジュースとケーキもいただきました。

日本で数少ない国産のコーヒーを収穫してコーヒーを頂く体験。栽培する苦労や、なった実からコーヒーを淹れるまでの工程の多さに驚き、栽培している方に感謝し、ありがたみをもって飲まないといけないなと感じました。

沖縄のコーヒー栽培が軌道に乗り、一日でも早く日本のスタンダードになっていくことを期待しています。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年3月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。

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