アメリカ国民の70%「トランプ大統領は宗教的でない」

ローマ教皇レオ14世は18日、自身の発言がトランプ米大統領を批判するものと受け取られたことについて「そのような意図は全くなかった」と遺憾の意を表明、トランプ氏との緊張緩和を模索している。米国生まれの教皇とトランプ大統領は、米イスラエル軍のイラン攻撃を契機に、激しい言葉の応酬を繰り広げてきた。

アフリカ4カ国を歴訪中(4月13日~23日)のレオ14世、バチカンニュース

レオ14世は中東における「無意味で非人道的な暴力」を非難し、キリスト教徒は「今日爆弾を投下している者たちに加担することはできない」と宣言、イラン戦争の終結を促し、「もう戦争はたくさんだ!」と訴えた。

また、「神は戦争を仕掛ける者の祈りを聞き入れず、拒絶する」とも述べている。そして、旧約聖書イザヤ書の一節を引用し、「あなたがたが多くの祈りを捧げても、わたしは聞かない。あなたがたの手は血で満ちている」と語っているのだ。かなり厳しい審判だ。

それに対し、トランプ米大統領は12日、ローマ・カトリック教会初の米国人教皇のレオ14世を「犯罪対策に弱腰でその外交政策はひどい」、「彼はあまり良い仕事をしていないと思う」と、ソーシャルメディア「Truth Social」に長文の教皇批判を投稿した。また、「イランが核兵器を保有することを容認するような教皇は望まない。極めて左寄りのリベラルであり、都市における犯罪を容認するような教皇も望ましくない。私はレオ14世を余り好きではない」と付け加えた。

その後、トランプ大統領はAIで生成した自身のイエス・キリスト像をオンラインに投稿し、キリスト教会関係者からも強い批判の声が飛び出した(現在は削除されている)。

トランプ米大統領、自身をイエス・キリストになぞらえて描いたとみられる画像をSNSに投稿、2026年4月12日

ちなみに、レオ14世は現在、アフリカ大陸を歴訪中だ。アルジェリア、カメルーンに続き、18日には3カ国目の訪問先のアンゴラに到着した。それに先立ち、教皇はアンゴラへの機内で記者団に対し、「私はトランプ政権を恐れていない」と答え、「教皇の目標は、世界中に平和と正義のメッセージを広めることにある」と説明している。

バチカンニュースによると、レオ14世はアンゴラではジョアン・ロレンソ大統領らと会談を行った。レオ14世は、他国や国際企業によるアフリカ大陸の搾取が続いていると指摘し、「この搾取の論理によって、どれほどの苦しみ、どれほどの死、どれほどの社会的・環境的災害が引き起こされているのか」と問いかけた。同時に、「アフリカ諸国自身にも行動が求められる。アフリカは、多くの国の社会・政治構造を引き裂き、貧困と排除を助長している紛争と敵対行為を早急に克服する必要がある」とアピールすることを忘れなかった。

アンゴラに3日間滞在した後、レオ14世は旅の最終目的地である赤道ギニアを訪れる。なお、アフリカには約2億9000万人のカトリック信者が暮らしており、これはヨーロッパ全体より多く、その主流は若い世代だ(「レオ14世のアフリカ4カ国訪問」2026年4月10日参考)。

レオ14世のアフリカ4カ国訪問:政治情勢にどれだけ踏み込んで言及できるか
ローマ教皇レオ14世は13日から23日までの11日間、アフリカ大陸の4カ国を司牧訪問する。レオ14世にとって教皇就任以来3度目の外遊で、最長の海外訪問となる。訪問国はアルジェリア、カメルーン、アンゴラ、赤道ギニアの4カ国だ。レオ14世は、4...

ところで、トランプ大統領がレオ14世を激しく非難し、救世主のようなポーズをとったりイエス・キリストと並んだりしたAI生成画像を公開する直前に実施された世論調査で、大統領の宗教性に疑問を抱く米国民が増加していることが明らかになった。

ワシントンD.C.を拠点とする、中立的で非営利のシンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」の調査によると、回答者の70%がトランプ大統領を「特に宗教的ではない」または「全く宗教的ではない」と考えていると回答した。これは2024年10月の調査結果より8ポイント高い。

「ピュー・リサーチ・センター」が16日に発表したところによると、トランプ大統領を「非常に宗教的」と評価した回答者はわずか5%、「やや宗教的」と評価した回答者は24%だった。この調査は、4月6日から12日にかけて、約3,600人のアメリカ人成人を対象に実施された。

調査結果によると、トランプ大統領の最も熱心な支持者の間ですら、大統領を非常に信心深いと考えている人は比較的少なく、共和党支持者のわずか8%、白人福音派の5%にとどまった。ただし、共和党支持者の43%、白人福音派の49%は、トランプ大統領が自分たちの宗教的利益を擁護していると考えている。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年4月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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