
The White House より
スペインの主要各紙は4月24日、米国国防総省内でスペインをNATOから除名することを検討するメールが交わされていたと一斉に報じた。ロイター通信が明らかにしたこの情報は、現在スペイン国内に大きな衝撃を与えている。

サンチェス首相への不信感を強める米国
両国の対立が表面化したきっかけは、トランプ大統領が要求した「NATO防衛費のGDP比5%への増額」に対し、サンチェス首相が反対したことにある。それ以来、トランプ大統領はサンチェス首相の姿勢に強い憤りを表明してきた。
さらに、サンチェス氏がヒズボラ、フーシ派、イランに対して同情的な姿勢を示し、彼らから感謝されたことも対米関係を決定的に悪化させる要因となった。
伝統的友好関係からの逸脱と中国への傾斜
スペインはフランコ独裁政権時代から米国と強固な絆を築き、1982年のNATO加盟以降は欧州防衛の一翼を担ってきた。
しかし、サンチェス首相は中国をこれまでに4回訪問しており、スペインを「対EUの玄関口」にしようと画策している。トランプ大統領を決定的に憤慨させたのは、米国によるイラン攻撃の際、サンチェス政権が国内の米軍基地(モロン、ロタ)の使用を許可しなかったことだ。
制裁検討と「米軍基地移転」の現実味
この一件以降、トランプ大統領は「スペインはNATO加盟国としての義務を果たしていない」として、制裁措置を検討する姿勢を明確にしている。具体的には以下の措置が挙げられる。
- 米国におけるスペイン企業の活動制限
- スペイン産品への高関税導入
- モロンおよびロタの米軍基地をモロッコへ移転する案
特に基地移転案は、米国にとって長年忠実な同盟国であるモロッコとの関係を背景に、単なる威嚇以上の意味を持っている。
セウタ・メリーリャの帰属問題への飛び火
さらに懸念されるのは、スペインが統治するアフリカ北端の自治都市、セウタとメリーリャの扱いである。
トランプ大統領は1期目の終盤、国連の合意を覆して「西サハラはモロッコ領」と承認した経緯がある。サンチェス氏を全く信頼していないトランプ大統領が、同様の論理でセウタとメリーリャをモロッコ領と認める可能性も否定できない。
トランプ大統領が皮肉を込めて「スペインはBRICSの一員だ」と評したように、両国の亀裂は深刻化している。来年のスペイン総選挙においてサンチェス政権が退陣しない限り、米国との関係改善は見込めないだろう。







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