「オルカンの毎月分配型」にはきっと強いニーズがある

内藤 忍

新NISAがスタートしてからの投信マーケットは「オルカン」や「S&P500」といった、低コストで分配金を出さないインデックスファンドに資金流入がシフトしています。

かつて、グローバルソブリンというファンドで一世を風靡した毎月分配型ファンドは2017年に金融庁が「顧客本位ではない」と批判したことで一気に人気が離散しました。

ところが、ここ数年の販売状況を見ると再び資金流入額が大きくなってきていることがわかります(図表は日本経済新聞電子版から)。

新NISAでは原則として毎月分配型の投資信託は対象外となっています。これは分配金を再投資しないため複利効果を得られず長期投資に不向きだからとされています。

NISAの枠外で利益に課税されるにも関わらず毎月分配型ファンドにこれだけの資金が流入している。これは「顧客本位ではない」のではなくむしろ「顧客が求める商品」と言えるのではないでしょうか。

特に60代を超えるシニアにとっては資産を複利で増やし続ける必要は必ずしもありません。元本を取り崩してでも毎月のキャッシュフローを手に入れたいというニーズは強いと思います。

あるいは最近は20代でも毎月の生活費の補完資金として毎月分配型を活用するケースが増えているとも聞きます。

若者は長期投資すべきで分配金は受け取るのではなく再投資が資産形成に効率的というのは教科書的には間違ってはいません。ただしインフレの中で手取りが増えない経済環境では将来の資産形成よりも目先の生活水準の確保したいという選択肢も否定はできないと思います。

日本国内で販売されている毎月分配型ファンドの現状の問題は、複利運用ができないことや元本を取り崩す「タコ足配当」毎月分配型ファンドであることよりも、NISAの枠を使った税制優遇を受けられないこと、そしてどれもが手数料の高いアクティブファンドであることです。

毎月分配型ファンドとして人気のインベスコの「世界厳選株式オープン」は販売手数料が最大3.3%、信託報酬は年1.9%と極めて割高です。

2019年に書いたブログで低コストインデックス型毎月分配型投信を希望すると書きました。

例えば、インデックスファンドとして圧倒的な支持を得ている「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」は分配金を出さないファンドですが、もし「オルカン毎月分配型」を発売したらどうでしょうか?金融庁やお金の「専門家」の意見とは異なり、かなり強いニーズがあると思います。

インデックスファンド拡大の立役者となった三菱UFJアセットマネジメントにはオルカンに限らずeMAXIS Slimシリーズの毎月分配型を投入してもらい新たなフロンティアを是非開拓して欲しいと思います。

wakashi1515/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント