日本発金融危機を警戒するベッセント財務長官が首相・日銀総裁らと会談へ

ベッセント米財務長官が11日から3日間の日程で日本を訪問する。高市早苗首相、片山さつき財務相、植田和男日銀総裁とそれぞれ会談し、投機的な円売りへの対処策を議題とする方針だ。

【参照リンク】米財務長官が首相・財務相・日銀総裁と会談へ 11日訪日、円安議論 日本経済新聞

複数の日米外交筋が明らかにした。トランプ大統領の中国訪問に先立つ調整の一環で、日米金融政策のすり合わせが主眼となると見られている。

  • ベッセント長官は日本発の金融危機を強く警戒しており、会談では日本に財政収支の改善や日銀の段階的な金融引き締めを求める可能性が高い。
  • 円安の本質を投機的要因と位置づけ、介入で対抗するのが上策とするような発言は同長官のこれまでのスタンスから考えにくい。
  • IMF基準では日本が自由変動相場制の地位を維持する場合、6カ月以内の介入エピソードは最大3回までで、3営業日連続の介入は1回とカウントされる。
  • 片山財務相の同行筋は4日、このIMF指針に言及した。4月30日の介入観測後、円が3日連続で急騰した文脈で説明された。
  • これにより11月までに残り2回の介入余地しかなく、3回目を超えるとIMFや米国から為替操作国と認識される懸念が生じる。

  • 市場参加者の多くは、公的介入の有無にかかわらず円の下落基調が続くとみている。イラン情勢によるエネルギー価格高や日米金利差が根本的な下押し圧力だからだ。
    結果として、日本は為替介入に頼らず日銀の利上げで対応する方向にシフトする可能性が高まっている。
  • 原油高によるインフレ圧力と利上げが重なれば、スタグフレーションのリスクが現実味を帯びる。

ベッセント長官による日本の財政・金融政策への「指導・助言の場」との分析が多く、日銀のビハインド・ザ・カーブ是正や日本国債市場の変動が米国債に波及するリスクを指摘する声が目立つ。全体として警戒感が強く、ベッセント長官の訪日は表向きの投機対策議論を超え、日本に構造的な政策正常化を促す場となる可能性もある。

ベッセント財務長官 同長官Xより

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    # 日本も危ないが、アメリカが上から説教できるほど健全なのか

    ベッセント財務長官の訪日と、日本に対する財政・金融政策の「指導・助言」というニュースを読みました。この問題提起には賛同できる部分もありますが、同時に強い違和感も覚えました。

    **「日本に火事の延焼を警戒しろ」と言っているアメリカ自身が、すでにボウボウと燃え盛っているのではないか**、ということです。

    率直に言って、現在のアメリカのスタンスは「火事になったら延焼するんだから、火事には気を付けろ」と他国に忠告しながら、当のアメリカの家がすでに火災現場になっている状態に見えます。日本の問題を直視することと、アメリカの説教を無批判に受け入れることは、別の話です。

    ### アメリカの財政状況こそ深刻

    米財務省の「Debt to the Penny」によれば、米国の総債務は2025年8月に37兆ドル、同年10月には38兆ドルを超えたと報じられています。10年前の2015〜2016年ごろはおおむね18〜19兆ドル台でしたから、**この10年でほぼ2倍に膨張**したことになります。まさに雪だるま式の悪化です。

    GDP比で見ても先進国の中で極めて高い水準にあり、利払い費だけで国防費を上回るような状況に近づいています。FRBのバランスシートも、2020年のパンデミック対応で単年に約3.2兆ドルもの通貨供給拡大を行い、その後のインフレを引き起こした張本人でもあります。

    長官は日本に財政収支の改善を求めると見られていますが、自国の巨大な財政赤字とインフレ体質を棚に上げて、日本の国債市場に説教をするのはあまりに身勝手ではないでしょうか。日本発金融危機を心配する前に、米国債市場やドルの信認こそ本当に大丈夫なのか、という視点が必要です。

    ### アメリカも為替介入をしてきた事実

    そもそも、ベッセント長官のスタンスとして「介入は上策ではない」という論調が強調されていますが、アメリカも「為替介入はけしからん」と常に超然としてきたわけではありません。必要なときには、自国通貨ドルを守るために実力行使に出ています。

    特に**1995年のドル買い支え介入**は象徴的です。1ドル=79円台までドル安・円高が進んだ局面で、米当局は円とマルクに対してドル買い介入を断行しました。ニューヨーク連銀の資料によれば、1995年だけで**8回、合計約66億ドル規模のドル買い介入**が確認されています。

    さらに遡れば、プラザ合意(1985年)でのドル高是正、ルーブル合意(1987年)でのドル安阻止、2000年のユーロ防衛介入、2011年の東日本大震災後のG7協調介入など、米国は自国の都合に合わせて何度も為替市場に介入してきた歴史があります。

    **「自分たちはドルを守るために介入するが、日本には制限をかける」**というのは、あまりにご都合主義の牽制ではないでしょうか。

    ## 「指導・助言」という名の圧力

    記事は今回の訪日を「指導・助言の場」と分析していますが、これを素直に受け取るのは危ういと思います。プラザ合意で日本がどうなったかを思い出すべきです。あの合意の後、日本はバブルの膨張と崩壊、そして「失われた30年」と呼ばれる長期停滞へと突き進みました。

    米国の「アドバイス」は、しばしば米国自身の利益のために日本に犠牲を求めるものでした。今回も、米国債市場の安定や米国のインフレ抑制のために、日本の金融政策を都合よく動かしたいという思惑が透けて見えます。

    ## 結論

    ベッセント長官が日本発金融危機を警戒する気持ちは理解できないわけではありませんし、日本側にも取り組むべき課題があるのは事実です。しかし、**警戒すべきは日本だけではなく、むしろ米国自身の財政・金融状況の方が遥かに深刻**だという自覚を、まずアメリカが持つべきです。

    借金が10年で2倍に膨らみ、平時にも関わらず通貨を刷り続け、過去に何度もドル防衛のために為替介入を行ってきた国が、日本に向かって「財政を健全化せよ」「介入は控えろ」と語る。この構図の倒錯ぶりに、私たちはもっと敏感であるべきだと思います。

    日本はアメリカの「指導」に唯々諾々と従う必要はありません。高市政権と日銀には、米国自身の財政状況や過去の介入実績も踏まえつつ、相手の言い分を鵜呑みにせず、**国益を守る毅然とした姿勢**で会談に臨んでもらいたいと強く願います。