黒坂岳央です。
「40代男性は大体みんなぽっちゃりしている」
これはぼんやりとした単なる印象ではなく、裏付けるデータがある。厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40代男性の約4割がBMI25以上の肥満域に入る。平均体重は72kg超。この体重は誰もがパッと見で「太っている」と感じさせる重さである。
そして中年太りは「特別な現象」ではなく、普通に生きていればほぼ確実にそうなる。むしろ、「普通に生きて太らない」方が不自然といえる。40代が20代の体型を維持できるのは、統計的にざっくり全体の2割前後くらいと言っていい。
筆者は一時期、この72kgを超えて太った時期があったが、今はBMIは21台、体重は65kgで筋肉を増やして20代の体型を維持している。自慢するつもりはない。相当に努力、苦労して今の体型を維持しているからだ。だが最初はなかなかこうはいかず、途中で何度もリバウンドや停滞など苦しい時期もあった。
これまで食事制限、運動、筋トレなどありとあらゆることを一通り試してわかったのだが、「中年男性がスリムになるには、何よりまず空き時間が必須」ということである。つまり、忙しすぎる人は痩せにくい。筆者の持論を取り上げたい。

recep-bg/iStock
痩せるために空き時間がいる
「ダイエットに空き時間が必要」といってもしっくりこないだろう。ここからはその根拠を話したい。
まずは食事だ。外食は控えた方がいい。糖質や脂質をコントロールできないし、パッと見で中身は正確にわかりにくい。痩せたければまず、できるだけ自炊するべきである。
もちろん、コンビニでサラダチキンやプロテイン中心の食事をすれば自炊は不要だろう。だがこれは机上の空論、そんなロボットのような食生活を受け入れられる人ははじめからダイエットに苦労することはない。「おいしい食事をしっかり食べ、栄養豊富かつ太らない」という食事は自炊しかないのだ。
慣れれば自炊は手早く作れるようになるし、まとめて作ることもできる。だが、それは若い頃から料理に慣れている人だ。何より、「太らない食べ方」には時間がいる。
筆者の食事メソッドを紹介しよう。自分はまず生野菜を大盛り食べて、20分待つ。満腹中枢を刺激してからメインの食事を始めるようにしている。この「20分の待機」というインターバルで、暴食を防げる。
さらに生野菜の次は野菜豊富な具だくさんスープ、そして油控えめの良質なタンパク質と続き、最後に炭水化物。甘いデザートは週1-2回のみ。もしも食べるにしても「1つのケーキを2日に分けて半分ずつ」など、分割にすることだ。自分は子供とわけて食べる。
加えて運動もするべきだ。毎日筋トレ、エアロバイクを30分こぎ、そして時速7kmで30分ウォーキングをしている。
さて、今言ったことを実践するにはかなり時間が必要だ。「夜遅く帰って一刻も速く眠らなければいけない」という忙しいビジネスパーソンには相当なハードルである。
ちなみに過去記事では「会社の通勤区間を一駅分余分に歩こう」と提案した。これは健康効果を期待してのことだが、20代の頃の体型を取り戻す、という観点だと一駅ウォーキングだけでは完全ではないのが正直なところだ。「意味がない」とまではいわないが、完全なダイエットとまでは足りない。
時間の余裕がないと太る
筆者は28歳の頃、会社員をしていた。転職して忙しい会社に入ったのだが、入社時の体重は65kg前後。それがあっという間に72kgになった。28歳という若さでもだ。
原因は食事だ。終電間際まで毎日残業し、帰り道に大盛りカレーうどんや牛丼を勢いよく食べ、その後はお菓子やケーキをたっぷり詰め込んで寝る。「早く食べて明日に備える」という時間の焦りもあったが、ストレス食いも出ていたと思う。
ここで言うストレスとは、仕事そのものではない。余裕のなさのストレスだ。仕事自体は充実していたし、上司も厳しいながら愛のある人だったので満足していた。しかし時間的余裕がなかったので、内心は色々やりたいことがあるのに、時間がなくて我慢するしかないストレスが暴食になった。
その後は転職し、毎日ほぼ定時帰りの職場に移った。自分はこの転職で何も意識を変えていない。だが生活の余裕が戻った途端、自然と食事量が減り、体重は元の65kg台に戻った。唯一、変わったのは「時間的余裕」である。
気持ちの余裕が出来たことでストレスが減り、ストレスが減って暴食が収まって自然と痩せたのだ。
◇
太っている人間を「意識が低い」「自己管理ができていない」と評価するのは社会の不文律だが、落ち込むことはない。足りていないのは根性ではなく、物理的な時間だ。
本気で体型を変えたいなら、最初に問うべきは「どうやって時間を作るか」である。
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