高市早苗首相の3兆円補正予算が招く財政・物価リスク

高市早苗首相は25日、一般会計歳出規模3兆円強の補正予算案編成を表明した。中東情勢の混乱を理由にガソリンや電気・ガスの負担軽減を図るというが、この政策は財政規律と物価安定の観点から大きな問題を抱えている。

  • 国債相場が崩れる危険性は市場の需給だけが原因ではなく、インフレがさらに激しくなることを市場が警戒しているからだ。
  • 前年度の国債の一部が発行不要になったから、その分今年度の国債を増発してもカレンダーベースでの発行額が変わらないというのは需給要因の説明に過ぎず、物価高騰をどう防ぐのかという本質的な説明になっていない。
  • 物価の抑制には財政と金融政策の引き締めが必要であるのに、補助金をばら撒いてガソリン代や電気代を下げることはそれに逆行する政策だ。
  • アメリカと並んで世界最低価格のガソリン価格をさらに下げ、石油不足のときにその消費を促進するという狂った政権の姿勢が露呈している。
  • 補助金は他の燃料にも出しているため4月の実績は4000億円に達し、原油価格が上がっている中で予備費1兆円は5月中に使い切る可能性が高い。
  • 6月に補正を組んで国債を発行すれば、年間10兆円以上も財政赤字が増えることは確実であり、それはインフレと円安を通じて実質的な増税になる。
  • 石油元売りはもうかる一方で、国民の実質賃金が下がり貧しくなるという悪循環が生じる。
  • 補正予算を求める野党に対し、高市首相が内々に編成を検討しながら国会では必要性を否定してきた経緯がある。

この補正予算案は一時的な家計支援を装いつつ、長期的な財政悪化と物価高を助長するものだ。市場の信認を維持できるという首相の強調とは裏腹に、国民負担の増大と経済の歪みを招くリスクが大きいと言わざるを得ない。

高市首相 首相官邸HPより

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