今年の夏にも国家情報局が発足します。と言っても実態は内閣情報調査室(内調)が格上げになるだけで報道を見るだけでは何が変わるのか正直わかりにくい気もします。

2026年5月27日 国家情報会議設置法の成立について会見する高市首相 首相官邸HPより
内調の話はこのブログで以前に何度か取り上げたことがあります。内調ってどこにあるの?と言うぐらい存在がよくわからない話で時の総理の意向次第で内調が光る時もあるし、光らない時もある、そんな感じでした。個人的には菅義偉氏が官房長官だった時代は光っていた気がします。
先日、テレビニュースで「公安調査庁って知っていますか?」と街角インタビューをしていました。ほとんど誰も知らないのが実態でした。いわゆる「公安」という言葉が嫌な響きに感じる方もいらっしゃるでしょう。実は気をつけなくてはいけないのは日本には「公安」は2つあります。1つは法務省管下の公安調査庁、もう1つは警察庁の中にある公安の方でこちらの方がパワフルであります。なぜなら強権を持っているからです。
ところで警察庁の上部はどの組織?と聞かれたらこれまた困るでしょう。答えは内閣府の外局である国家公安委員会であります。そう、ここにも「公安」が出てくるのです。警察内部組織には「警備局」があり、そこが実態としては公安業務を司っています。警察は刑事局が主流のように見えますが、警備局にも28000人が在籍し、地味でいぶし銀の仕事をしています。警察ものの小説を読む方にはこの手の話がしょっちゅう出てきますのでご存じかもしれませんね。どの小説でも刑事と公安は水と油的な扱いになっています。職務上は別々の目的があるのですが、時としてその目的次第ではそのような主導権争いが起こります。
話を元に戻します。国家情報局ができると何が変わるのか、ですが我々の日常には全く何も変化は見られないと思います。日本には情報を業務とする部署を持っているのは警察、法務、防衛、外務でそれを今までは内調が統括していました。これが今後、国家情報局が統括し、首相が議長となる国家情報会議が判断決定をしていきます。また日常的に首相官邸とのやり取りや指示が国家情報局に飛んできます。それを受けた国家情報局は各情報組織に強権をもって作業に当たらせることになります。また国家情報局は既存の国家安全保障局(NSS)と同列になります。現在内調には500名強のスタッフがいるとされ、格上げ後は700人規模になる見込みです。
今までは内調への情報報告は各情報組織が「都合の良いものを都合よく上げる」傾向があり縦割り意識と「おらが集めた情報は誰にも渡せねぇ」という意識が強かった構造を改革するものとされます。個人的にはそんなに都合よく変わるとは思っていませんが。
なぜこのような動きが必要なのか、というと例えば日本はスパイ天国で情報漏洩のメッカであるとされるからです。例えば中国製フェンタニルが名古屋経由でアメリカに流れていたとか、エヌビディアの高性能半導体が日本経由で中国に流れているといった話はいかにも日本が悪役的存在になってしまい、世界からも「どうにかしろよ」と思われているはずです。特に米中という二大大国にはさまれている都合上、日本の「介在」が時として好都合な場合があるわけです。当然、こんなことはしっかり取り締まらねばなりません。
このような情報組織の立ち上げに対して左派からは個人情報保護うんぬんという話が出てきます。しかし個人情報は今やあってないようなものです。とはいえ、常に「あなたは監視されています」というわけではなく、「あなたが悪さをしたら見つかりますよ」と言う話です。世界最強とされる中国における監視社会について在住する中国人に聞きました、という記事では「悪さをしなければ関係ない」とあっさりした声が多かったと記憶しています。日本でも例えば今、顔認証は多くなりました。海外と出入りする人は入管で顔認証となっていますが、あれでテキストデータはばっちり取られています。(顔データは即時破棄されています。)
最近、事件が起きても犯人が割とすぐ捕まります。何故かと言えばアクセスできる情報がたくさんあるからです。例えば監視カメラで人の波が押し寄せているような動画でも特定の人物をピンポイントでAIが自動で拾い上げます。
国家情報局は善良な市民のための組織であり、日本が海外から変に利用されないようにするための重要な一歩であります。賛成反対各論あると思いますが、時代の要請であると考えざるを得ないのです。もう牧歌的な時代ではないと申し上げます。
では今日はこのぐらい
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年5月29日の記事より転載させていただきました。







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