皇室の問題が取り沙汰されています。公務に対応できる皇族が足りないこと、及び女性天皇を制度として受け入れるかどうか、という2つの議論が中心かと思います。これについて現在政治レベルで様々な議論がなされているわけです。ではこれがどうやって決定されるのかといえば政治ベースで決定し、皇室典範が改正されるという話だろうと思います。

愛子内親王と悠仁親王 宮内庁HPより
日本人にとって皇室とは世の政治で決定する問題以上の日本人の本質にかかわるイシューだと思うのです。それを政党政治の枠組みで力関係で一定の妥協も含めながら決めてよいのか、というのが私の最大の疑問であります。なぜこれぞ国民投票による決定をしないのだろうか、と思うのです。
その理由は皇室典範が法律の一つであり、その改正は憲法第2条により国会に委ねると決められているからであります。日本で国民投票が行われるケースは憲法改正のみであるので今取りざたされている9条改正と同様、第2条の改正議論もあってよいのではないかと思うのです。
政治というのは「政(まつりごと)を治める」わけですから国家の運営を国民の代表者である政治家が各種法律を決め、政権運営と両輪になり、裁判所が裁く機能を持つ三権分立の枠組みに収まることに何ら問題はありません。しかし、象徴天皇と皇室のあり方については政治を通り超えており、物理的資産である日本の国土と同様、日本人の精神的資産だと考えています。よってそれを時の政治が決めてよいのか、これには個人的には大いに疑問があるわけです。
政治というのは時の風次第のケースもあり、経済や社会、国際社会の中において日本の国家運営を上手に行う施策こともあるわけです。よって必ずしも超長期的ビジョン、ないし永久不変のものではありません。一方、天皇と皇室については今後、日本がどんな状況になろうともずっと続く仕組みであることを考えれば政治家にだけゆだねるのではなく、国民一人ひとりが考え、それを判断するのが妥当だと考えています。
さて前段が長くなりましたが、男系天皇へのこだわりと公務に対応する皇族問題について私見を述べます。まず、男子の天皇にこだわるのか、については私は明白にNO。つまり女性天皇は大いに賛成であります。
歴史上、女性の天皇が8名いたのです。うち6名は飛鳥時代から奈良時代の間で、残り2名の明正天皇と御桜町天皇は江戸時代であります。最後の女性天皇である御桜町天皇が在位していたのは1760年代ですから歴史的にみればそれほど遠い昔ではありません。この時は前の天皇が21歳で急逝し、次の男子継承者がその時5歳だったので伯母である御桜町天皇が摂政のような役割で8年間のつなぎをしたのであります。
ちなみに過去すべての女性天皇は男系女子であります。その脈々と続く万世一系という発想からすれば男系男子、男系女子は良しとしても女系男子、女系女子を変えるだけのモチベーションは今はないかもしれません。
もともと天皇家は子供が少なかったし、病弱だったこともあった中で近年の少子化傾向も重なり、皇位継承という観点からは綱渡りのようなところがあります。その為には天皇制維持のために早めにフレキシビリティを持たせる策をとるべきであり、ほかに選択肢がないという状況になる前に議論し、決めることが重要だと思います。
戦国時代に藩の跡継ぎを決める際、当時は子供は多かったのですが、病弱や戦さなどでちゃんと大人まで育つ子供は少なかったのです。長男が本来継ぐはずが、直系の子供が全部だめで養子を取ったことも結構あったのです。しかし、当時の藩主は男性に限っていたし、戦国の時代だったために4男、5男、更には養子にすら頼らざるを得ない事情があったのですが、現代において男子でなくてはいけないというのは世論的にはないだろうと思うのです。
最後に減り続ける皇族の件です。これはたまにこのブログでも話題を振っていたので覚えている方もいらっしゃるでしょう。
今年中には皇室典範改正法案が議論される見込みですが、流れとしては2つ。一つは今の女性皇族が婚姻後、皇室に残る案。もう一つは旧皇族の男系男子を養子に迎える案です。第一案についてはおおむね、行けそうなのですが、結婚した相手、および将来出来るかもしれない子供についての権利をどう制限するかが議論の中心です。
現在皇族は16名。うち、女性が11名。うち独身の女性皇族は5名であります。1つ目の案はこの5人を目いっぱい働かせよ、という発想であります。ですが、出産などを考えれば正直、現状維持にもならない気がしています。よって物理的な人数の確保という点では旧皇族を何らかの形で受け入れる必要はあるのではないか、と思います。私は傍で見ていて、皇族の業務はあまりにも激務、特に天皇皇后は休む間もない状態だろうと察しております。公務を少しでも分担させてあげるのが国民の望みではないでしょうか?
皇室に関する話題は皆さん、それぞれの思いがあるとは思います。が、皇室の置かれている現状を考えると早急なる国民の理解を得た改革が必要だと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年6月1日の記事より転載させていただきました。







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