教皇レオ14世の「外遊」計画とその費用

ローマ教皇レオ14世は6日から12日にかけて、カトリック教国スペインとカナリア諸島を訪問する。トルコ(昨年11月27~30日)、レバノン(同年11月30~12月2日)、モナコ(2026年3月28日)、アフリカ(同年4月13~23日)に続き、レオ14世にとって4度目の外遊だ。バチカンニュースが先月31日公表した訪問日程によると、教皇レオ14世は6日、マドリードでフェリペ6世国王とレティシア王妃の謁見を受ける。

スペインのサンチェス首相の訪問を受けるレオ14世、2026年5月27日、バチカンニュースから

訪問初日、レオ14世は社会事業を視察し、若者たちと共に夕方の祈りの集会を執り行う。6月7日には、聖体祭の行列を伴う日曜ミサを執り行う。その後、教皇就任前に長年率いていたアウグスティヌス修道会の会員たちと会談する。また、文化、芸術、経済、スポーツ界の代表者とも会談する予定だ。スペインのメディア報道によると、教皇はマドリードでカトリック聖職者による性的虐待の被害者と面会する。この面会は6月7日か8日に教皇大使館で行われる。

6月9日、ローマ教皇はカタルーニャ州の州都バルセロナを訪れ、オリンピックスタジアムで夕方の祈りの集会を行う。翌日には、刑務所と有名なサンタ・マリア・デ・モンセラート修道院を訪問する。夕方には、世界で最も高い教会の塔、高さ172.5メートルのサグラダ・ファミリアのイエス・キリストの塔の落成式に出席する。この式典は、建築家アントニ・ガウディの没後100周年にあたる。国王夫妻、サンチェス首相、そして約200人の枢機卿や司教を含む4000人の招待客が出席する予定だ。

今回の訪問の締めくくりに、6月11日と12日、アフリカ沖のカナリア諸島を訪問する。これらの島々は、深刻な移民問題に直面している。グラン・カナリア島とテネリフェ島で、教皇は援助関係者、教会関係者、そして移民たちと面会する。彼は島の港でミサを執り行った後、6月12日にローマへ戻る。

9月に入ると、フランス訪問が控えている。 教皇レオ14世のフランス訪問は、9月25日から28日までの4日間の日程。マクロン大統領との会見、教会当局との会談、およびユネスコ(UNESCO)本部への訪問などが予定されている。

前任の教皇フランシスコもフランスを訪れているが、欧州議会への出席など「非公式」な位置づけだった。今回のレオ14世の訪問は、ローマ教皇として18年ぶりとなる歴史的な公式訪問だ。フランスは政治と宗教を厳格に分離する「世俗国家(ライシテ)」であり、行政トップが宗教指導者を公式に国賓として迎えることには歴史的に抵抗が強い。任期最終年を迎えるマクロン大統領からの招待に応じる形でのこの公式訪問は、バチカンとフランスとの外交関係において極めて重要な意味を持つ。

ところで、ローマ教皇の訪問は、受け入れ国にとって莫大な費用がかかる。数日間の海外訪問には、通常、ロジスティクス、警備、技術などに数百万ドルもの費用がかかる。これらの費用は、受け入れ国と現地の教会が負担する。カトリック教徒は通常、教皇の行事や教会関連費用を直接負担する。警備は、国賓訪問の慣例通り、開催国が担当する。

例えば、レオ14世が4月にアフリカを訪問した際、フランスのメディアは、教皇訪問の最終訪問地である赤道ギニアで、公務員と軍人の給与が訪問費用を捻出するために削減されたと報じた。2011年のベネディクト16世のドイツ訪問では、教会だけで2500万ユーロから3000万ユーロの予算を計上していた。最終的に当初の予算の2倍にあたる2330万ユーロ(当初は1100万ユーロ)となった。

2022年のフランシスコ教皇の12日間のカナダ訪問には、カナダ政府は約5600万カナダドル(約4100万ユーロ)を費やした。2024年9月のルクセンブルクへの8時間の訪問には、150万ユーロ以上がかかったという。

後継者のレオ14世は、すでに3回の外遊を終え、イタリア国内の様々な場所も訪問している。南イタリアのカンパニア州には2度滞在している。教皇選出記念日にはポンペイとナポリを訪問し、5月末にはアチェッラの町で4時間を過した。この2回の短い訪問のために、関係地域は60万ユーロを拠出した。

ちなみに、教皇のスペイン訪問には、1500万ユーロから3000万ユーロの費用がかかると見込まれている。スペインの司教たちは、寄付によって費用の一部を賄おうとしている。組織委員会は、費用を賄うために、企業、財団、富裕層向けに5段階のスポンサーシップ制度を提示した。すべての寄付者に対する税制優遇措置に加え、50万ユーロから100万ユーロを寄付する「主要寄付者」には、今回の訪問における主要イベントの指定席、バチカンでの実務会議、そして教皇との面会が提供される。さらに、寄付者の企業または財団のロゴは、教皇訪問の公式ウェブサイトに掲載される。9月のフランス訪問費用も同様の方法で賄われる可能性がある。

なお、レオ14世はスペイン、フランス訪問後、11月には南米を訪問する。ウルグアイ、ペルー、そして前教皇フランシスコの故郷であるアルゼンチンを訪れる予定だ。

冷戦時代、58歳と若い時に教皇に選出されたヨハネ・パウロ2世は在位27年間、世界を飛び回った。世界のメディアからは「空を飛ぶ教皇」と呼ばれた。レオ14世は約20年間、南米ペルーで宣教師として働いてきたキャリアを有する。それだけに、バチカン宮殿に留まるより、外に飛び出し、現地を司牧訪問することを好む。いずれにしても、レオ14世の外遊に伴う財政負担が今後増大することは必至だ。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年6月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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