筋トレのトレーナーはAIマシンに代替されるか?

内藤 忍

AIを搭載した最先端のトレーニングマシン「ヒガトレック」が話題になっているようです(写真はヒガトレック社のホームページから)。

予約の取れないパーソナルジムのトレーナーとして知られる比嘉一雄氏が開発したこのマシンを使えば1メニューがわずか90秒から2分。AIが個人の筋力をリアルタイムで測定して最適な負荷を自動調整してくれるそうです。

しかも重りを使わないため怪我の心配もなく、成果がすべて可視化されるという最新のテクノロジーが詰まったマシンです。まだ価格は高価ですが量産されればパーソナルトレーニングを受けるよりも安価に利用できるようになりそうです。

では、このようなマシンがさらに進化すれば、筋トレのトレーナーは代替されてしまうのでしょうか?

スキルの低いトレーナーは、怪我をされるのが怖いのでギリギリまで負荷をかけることができません。また、コミュニケーション能力が低いとクライアントのニーズに的確に応えることができません。

このような汎用なトレーナーに比べれば、AIテクノロジーを活用するのは賢明かもしれません。

しかし高いスキルを持ったトレーナーはAIマシンに関係なくこれからも必要とされると思います。

例えば、私が指導を受けているパーソナルトレーナーは、その日の体調チェックやトレーニングのパフォーマンスを見ながらトレーニングメニューを微調整してくれます。

過去のデータだけではなく、会話をしながら当日の体調や調子の良し悪しまで考慮して負荷を変える。これは少なくとも現状のAIにはできないことです。

すべてのトレーナーがAIに淘汰されるのではなく、スキルの高いトレーナーは生き残り、スキルの低いトレーナーは消えていくということです。

これはパーソナルトレーナーに限らずすべての分野に共通だと思います。

例えば、寿司職人もロボットが握るレベルのスキルしか持たない人は仕事を奪われるか、低い賃金に甘んじるしかありません。

しかし、高い技術を持ち、客とのコミニケーションをきちんとできる職人は、高くてもお金を払いたいと言うお客さんがたくさんいるはずです。

つまり、AIを始めとするテクノロジーに代替されるレベルなのか、それともそれを超えた技を持っているかによって、仕事の評価が決まるということです。

スキルの高いパーソナルトレーナーであれば、むしろAIマシンを使うことで、効率性をさらに高められるかもしれません。

AIを始めとする最新のテクノロジーは同じレベルで競争しても人間は勝てません。でも上手に使いこなせば、自分のスキルをさらにパワーアップする強力なツールになると言うことです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年6月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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