東電の経営再建には「BAD東電」の分離・国有化が必要だ

大手ファンドによる東電への出資観測が報じられています。しかし、東電が抱える莫大な廃炉・賠償費用の問題は、単なる資金注入や既存の利益だけで返済できるほど甘くはありません。

長年先送りされてきた東電再建について、今こそ目を向けるべき現実的なロードマップを提示します。

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    東電再建を語るとき、「GOOD東電/BAD東電」に分けるという発想自体には、合理性があると思います。
    発電・送配電・小売といった将来の収益部門と、福島第一の廃炉・賠償という過去の負債を、同じ会社に抱え込ませ続けることには明らかに限界があるからです。

    ただ、この提言を評価するうえで絶対に甘く見てはいけないのが、廃炉そのものの「桁外れの難しさ」です。

    福島第一の1〜3号機には、事故で溶け落ちた核燃料が、炉内構造物や金属、コンクリートなどと混ざり合って固まった「燃料デブリ」が残っています。
    東京電力によれば、その量は1〜3号機合計で推定880トン。
    内訳は1号機279トン、2号機237トン、3号機364トンとされています。

    ところが、実際に取り出せた量はまだごくわずかです。
    2024年11月に2号機で初めて取り出した試料は約0.693グラム、2025年4月の2回目の試験的取り出しでも約0.187グラムでした。
    つまり、880トンもあるのに、合計しても1グラムにすら満たない、米粒・砂粒のような量を取り出して、「中がどうなっているのか」を調べている段階なのです。
    割合にすれば全体の**10億分の1のオーダー**です。

    ここを直視すると、「22兆円以上」という費用、そして廃炉部門を「BAD東電(清算会社)」として分離・一時国有化するという提言の意味が、まるで違って見えてきます。

    第一に、**この費用と工程は、避難・除染の基準とは無関係に発生する**という点です。
    第二に、**「22兆円」「数十年で完了」という見積もり自体が、極めて不確実だ**ということです。
    費用も期間も大きく上振れする可能性が十分にあります。
    だからこそ、優良部門を「GOOD東電」として切り出し、投資を呼び込むことには私も賛成です。
    費用も期間も読めず、技術も未確立で、しかも失敗が許されないこの「事業」を、株主や投資ファンドへのリターンを前提とした民間経営の枠内に置き続けること自体に無理があるからです。

    ただ底の見えない負債を「BAD東電」に一時国有化で移すだけでは、解決不可能な巨額の処理費用を何世代にもわたって国民負担で出し続ける「底なし沼」を作ることになりかねません。まいったね