
松江しんじ湖温泉駅から一畑電車に乗り途中下車しつつ出雲大社前駅に到着しました。出雲大社前駅はちょっと洋風の垢抜けた感があって、荘厳な出雲大社とはすこし趣の異なる駅です。駅前が参道になっていて、出雲大社の鳥居は少し歩いた先にあります。

神話の国、出雲の国は神が集う国であり、歴史ある神社が数多くあるのですが、その中心的存在が大国主命を祀るこの出雲大社です。神社のことはよく知らない方であっても出雲大社は知っていてお参りをした人も多いのではないでしょうか。全国でも知名度の高い神社です。
ちなみに旧暦10月のことを神無月といいますが、出雲地方では神在月(かみありづき)といいます。大国主命は国譲りによって現世の統治を天照大御神に譲り、目に見えない世界を統治することとなりましたが、この目に見えない世界では男女の縁や人々の縁など人と人との結びつきを決める話し合いが行われているとされています。その会議「神議り(かみはかり)」が旧暦10月に大国主神の宿る出雲で行われるため神々がすべてこの地に集まります。
そのため出雲では旧暦10月のことを神在月といい、その他の地域では神無月と呼ぶようになったのです。神在月に出雲大社にお参りすると、多くの神のパワーによってより強い良縁に恵まれるとされています。

鳥居を抜けると本殿に向けて長い参道が伸びています。神社は周囲よりも高い場所に置かれることが多いのですが、出雲大社は下り参道となっています。下り参道の理由は砂丘の隆起といった地形の影響、下り参道は自然に神社に対して頭を下げることになるため、気やエネルギーが下っていき本殿に集まるためと諸説あるのですが、本当の理由はわかっていません。

拝殿手前に作られた「ムスビの御神像」。大国主神が両手を広げて天に向かって掲げ、彼の眼前に魂が現れる様子がとても印象的に描写されています。この魂は幸魂・奇魂(さきたま・くしみたま)と呼ばれ、愛や知恵、創造力を司るもの。大国主神は幸魂・奇魂から力を授かることで縁結びの力を持つ神となりました。この像はそれを象徴する姿なのです。


糸が切れて下敷きなったらやばいで。
参道を抜けると大きな注連縄の飾られた拝殿が目の前に現れます。注連縄は出雲地方南部の飯南町で作られたもの。重さが5トンもあって近くで見ると大変な迫力があります。これを見るだけでも出雲大社に来た価値があるというものです。
一般に神社での参拝は2礼2拍1礼とされていますが、出雲大社では2礼4拍1礼。弥彦神社など歴史ある神社に見られる参拝方式です。現在結婚に全く興味はなく、周囲に女性の気配も全くない息子ですが、何とか良縁に恵まれるよう大国主神に祈ります。

出雲大社は拝殿の奥にもより本殿に近い場所に八足門(やつあしもん)があって、ここからも参拝をすることができます。参拝している人がいらっしゃるため近くでの撮影は控えましたが、美しい彫刻が施されている江戸時代初期の名建築であり国の重要文化財に指定されています。写真左端の地面に赤い円が描かれていますが、これはかつての出雲大社の柱が発掘された場所で、かつてはより巨大は神殿がここにあった証拠と言われています。
八足門から向こうは神殿であり、一般の人は入ることができません。ただ、ぐるっと神殿を囲む壁に沿って一周することができるので、そちらを周ってみることにしましょう。


しまねっこは千木を冠した屋根状の帽子をかぶっています。
雲州平田駅のしまねっこはその帽子の上に鉄道員の帽子をかぶっていました。
八足門側からはよく見えない本殿ですが、横からだとその姿をはっきりとより近くで見ることができるようになります。現在の本殿は1744年に建てられており国宝にしていされています。クロス上に装飾された千木が美しく、出雲大社のシンボル的存在となっていますね。

本殿の裏手には因幡の白兎が本殿に向かって手を合わせる石像がいくつかありました。因幡の白兎はワニに毛をむしられたうえ、八十神に騙されて海水に浸かり風を浴びて苦しさに悶え苦しんでいたところを大国主神に助けられた「因幡の白兎伝説」があります。

大国主神に感謝してやまず、今も本殿に祈り続ける白兎。

さて、出雲大社の参拝を終えたら、西に歩を進めます。15分も歩けば美しい日本海が見られますが……暑い。6月は暑いんですが暑さ慣れしていないので熱中症に気をつけないといけません。

日本海までやってくると、目の前に巨大な岩が現れました。ここは稲佐の浜。砂浜の中央にあるのは弁天島で、その上には豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が祀られています。先ほど旧暦10月に八百万の神が出雲に集うと言いましたが、その神々が最初に降り立つ場所が稲佐の浜。神々はここから神迎えの道で出雲大社に向かっていくのです。
毎年旧暦10月10日にはここで髪を迎える神事も行われています。普段の稲佐の浜は人もそこまで多くない静かな海。潮騒の音を聞きながら神聖な場所でその歴史をかみしめるのもいいでしょう。

日本神話の地として知られ、今も良縁を求めて参拝する人の絶えない出雲大社。男女の縁だけでなく、よき友人、仕事仲間、ビジネスチャンスを求めて、大国主神を訪ねてみるのもいいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年6月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。







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