蓮舫代表は国籍離脱の書類を公開せよ

池田 信夫

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民進党の蓮舫代表は、きょう定例記者会見で「台湾籍離脱の手続きが完了した」ことを明らかにしたが、まだ疑問が残る。

台湾籍離脱手続きに関して、さきほど台湾当局から手続き完了したとの報告と証明書を頂いた。それを区役所に届けに行っている。私の発言や私自身の認識、法的な認識、評価が混同し、ご迷惑をおかけしたことはおわびさせていただく。私は日本人です。

今回の籍離脱をお願いする時に、当局から言われた申請書類は全て提出しているが、その中に子供だった頃のパスポートもあった。提出しています。

9月6日に「改めて離脱」という会見をしてから、わずか2週間で手続きが完了したのは異例だ。通常は2ヶ月ぐらいかかるので、これは台湾政府の特別の配慮だろう。「子供だった頃のパスポート」というのは、「1988年以降は失効している」という以前の話と辻褄を合わせたのだろうが、20歳を「子供」とはいわない。本当に子供のころの(穴のあいた)パスポートだとすれば、それで手続きはできない。

たとえ失効した旅券だったとしても、手元にあったことは彼女が認めている。国籍離脱のとき旅券は台湾政府に返還するので、彼女が台湾国籍を自覚していたことは明らかだ。それを知りながら「離脱したかどうかわからない」と民進党の代表選で党員・サポーターを欺いたのは経歴詐称である。

これで彼女の旅券法違反(外国籍に関する虚偽記載)は確定であり、公選法違反の疑いも強い。彼女の2004年の選挙公報や2016年1月25日の公式ホームページ(魚拓)には「1985 台湾籍から帰化」という記述があるが、これは嘘である。彼女は台湾の旅券をもち、「私は台湾国籍」とか「二重国籍」などと話している。

キャプチャ朝日新聞は1993年に彼女が「在日の中国国籍」と言った記事を削除要請したようだが、コピーはたくさんあるので再掲しておく(クリックで拡大)。これは著作権法32条による「引用」であり、出典を明示すれば違法ではない。

朝日新聞は、この記事について担当者に確認したのなら、その結果を公表すべきだ。「中国国籍」という表現は、おそらく彼女の「台湾籍」という表現を朝日の校閲部が修正したもので、原稿ファイルも残っていると思われる。

いずれにせよ手続きは終わったので、彼女は国籍離脱の手続きに関する文書をすべて公開すべきだ。そこには旅券の更新履歴が書かれているので、身の証しを立てて問題に決着をつけるには、彼女のほうから情報公開するのが最善だ。

追記:産経に会見の全文が出たが、「先ほど台湾当局から手続きが完了したという報告と証明書をいただいた。それを持って区役所に届け出に行っている」といっており、国籍法14条に定める国籍選択の手続きを今やっているようだ。今までも「国籍取得」したといっており、国籍選択をまったくやっていなかった(台湾国籍を放置していた)とすると、明白な14条違反だ。