公道をふさぐ関電工!違反で罰金を払うのは住民という不可解

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家の前の一方通行を、また工事車両がふさいだ。交通誘導の警備員は、走ってきた車を次々とUターンさせている。一方通行でUターンすれば、その先は逆走だ。つまり警備員は、住民に交通違反をさせていた。

筆者提供

関電工の高所作業車である。電気設備の取り替え工事——掲示には施工期間と作業時間が記されている。それなりに交通量のある道で、車両は道をふさいだまま動かない。

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近所の用事や買い物なら、私は徒歩か自転車で済ませる。わざわざ車を出すのは、それが必要なときだけだ。車は、86歳になる父の通院搬送に使っている。足腰が弱く、送迎は欠かせない。

1回目のときから、私は事情を伝えていた。後部座席には高齢の父がいること、自分は近くに住む住民であること。それでも作業スタッフは動かなかった。「皆さんにご協力いただいている」「区役所の清掃車にも逆走して協力してもらっている」と抗弁するばかりだった。みんなやっている、だからあなたも、という理屈である。私は言われるまま一方通行を逆走し、500メートルあまり進んで大久保通りに出た。

2回目も、同じだった。後部座席の父を示し、腰が悪いこと、通院の送迎であることを、あらためて伝えた。それでも車両は動かない。通り抜けられるまで、30分かかった。

腑に落ちないまま、帰宅後に警察へ確認した。返ってきた答えは、現場の説明とまるで違った。道路を封鎖する許可は出していない。Uターンも逆走も、当然ながら交通違反である。違反すれば罰金を払うのは運転手だ。事故を起こした場合も同じ——。

ここで、制度を整理しておきたい。道路で工事や作業を行うには、道路交通法77条にもとづく道路使用許可を、所轄の警察署長から得なければならない。これは道路管理者に申請する道路占用許可とは別のものだ。そして許可申請にあたっては、経路や交通誘導員の配置、資器材の置き方までを記した図面を添える。つまり警察は、工事そのものだけでなく、交通をどうさばくかまで含めて審査している。

だが、道路使用許可は「道路を通行以外の目的で使ってよい」という許可であって、「道路を封鎖し、住民に逆走させてよい」という許可ではない。ここを混同してはならない。現に警察の指導は明快だった。

車が来たら、そのつど車両をどかして通す。それが本来の運用だという。一方通行の逆走を住民にさせることが、許可の条件に含まれているとは考えにくい。もし現場がそれを常態化させているなら、許可の趣旨を逸脱している疑いがある。

ところが関電工は、車をどかさない。

さらに見過ごせないのが、交通誘導の権限の問題である。警備員の交通誘導には、法的な強制力がない。警備業法は、警備員に特別な権限を与えていないと明記している。信号や標識と違い、警備員の「こちらへどうぞ」はあくまで任意の協力要請であって、従うかどうかの最終判断は運転者に委ねられる。警察官が行う交通整理とは、法的な重みがまるで違うのだ。

この違いが、住民に牙をむく。裏を返せば——誘導に従って逆走し、違反切符を切られても、事故を起こしても、責任を負うのは運転者本人だからだ。「警備員に言われたから」は、免罪符にならない。一方通行を逆走させる誘導は、それ自体が明らかな誤誘導である。

事故が起きれば誘導した警備会社にも過失の一端は及ぶだろうが、過去の裁判例を見る限り、過失割合はドライバー7対警備員3、あるいは9対1。どう転んでも、割を食うのは指示に従わされた住民のほうだ。

ここに、この一件の不可解さがある。工事を発注したのは大企業、施工するのも大手、道をふさいだのも彼らだ。にもかかわらず、逆走という違反の責任だけが、住民に転嫁される。

加害と負担が、きれいにねじれている。しかも相手は、後部座席に高齢の父がいることを、最初から知っていた。足腰の弱い高齢者の通院搬送だと告げられてなお、権限もない工事現場が道を譲らない。これがまかり通っていいのか。

インフラを支える工事は必要だ。現場で汗を流す人たちには敬意を払う。だからこそ、手続きと運用は正しくあってほしい。許可の範囲を守り、車が来たら車両をどかす。ただそれだけのことだ。それをせず、「みんな協力している」の一言で住民に違反を強いる運用は、どこかで一度、正されなければならない。

さて、ここからが本題である。もし、あなたが同じ立場だったら、どうするか。言われた通り逆走すれば、リスクは自分持ちだ。従わずに待てば、30分、道はふさがれたままだ。現場で責任者を呼ぶか。その場で110番するか。後日、発注者と施工者に正式に抗議するか。どれもしっくりこない。

正解が見当たらないから、こうして書いている。皆さんなら、どうするだろうか。意見を聞かせてほしい。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

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