玉城デニー知事に問責決議:ワシントン事務所が象徴する沖縄県政のずさんさ

沖縄県議会は7月13日の本会議で、玉城デニー知事に対する問責決議を自民党、公明党両会派などの賛成多数で可決した。

県が設置していた米ワシントン事務所をめぐり、適法性や透明性に重大な疑義が生じ、「県行政全体に対する信用を失墜させた」として、玉城知事の政治的、道義的責任を問う内容だ。問責決議に法的拘束力はないが、県議会が知事の行政運営に明確な「ノー」を突きつけた意味は小さくない。

辺野古反対のための海外拠点

ワシントン事務所は翁長雄志知事時代の2015年、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する県の立場を米国で発信する目的などで設置された。

ところが2024年、県が米国で株式会社を設立し、営業実態のない事業者として登録していたことが発覚した。設立手続きや財産管理、職員の身分、税務、ビザなど、多岐にわたる問題が指摘され、事務所は2025年に閉鎖された。

政治的主張を海外で発信すること自体は、県の政策判断としてあり得る。しかし、その目的がどれほど立派でも、行政機関である以上、法令と正規の手続きを守らなければならない。

「辺野古反対」という大義名分があれば、会計や法務の手続きを軽視してよいわけではない。

「知らなかった」では済まされない

事務所の設置は前任の翁長県政で始まった。しかし、玉城知事は就任後も事務所を存続させ、県費を投じて運営してきた。

問題が長年放置されたことについて、行政運営の最終責任者である知事が「部下から報告を受けていなかった」「詳しい手続きを知らなかった」と説明しても、責任が消えるわけではない。

むしろ、知事に重要事項が報告されず、県庁内部でも問題が認識されないまま事業が続いていたとすれば、玉城県政の内部統制そのものが機能していなかったことになる。

給与1か月減額で幕引きか

玉城知事は問題を受け、検証委員会を設置して是正措置を講じ、自身の給与1か月分を45%減額する議案を提出した。

県政与党は、知事が間違いを認めて対応しているとして問責決議に反対した。一方、自民党会派は、長期間にわたる不適切な行政運営に対して「処分が軽すぎる」と反発した。中立的な立場だった公明党会派が賛成に回ったことで、問責決議が可決された。

給与を1か月減らせば責任を取ったことになるのか。問われているのは知事個人の懐具合ではなく、県庁組織のガバナンスだ。

基地問題以前の問題

玉城県政はこれまで、国に対して法令順守や説明責任を厳しく求めてきた。それだけに、自らの行政運営で手続きの不備や不透明な事業執行が続いていたことは重い。

政府の辺野古移設を批判するときは「民主主義」や「法の支配」を掲げながら、県自身の問題になると「目的は正しかった」「すでに是正した」で済ませるのでは、説得力を失う。

今回の問責決議は不信任決議ではなく、玉城知事が直ちに失職するわけではない。しかし、県議会が示したのは、ワシントン事務所だけでなく、玉城県政の行政能力そのものに対する不信だ。

辺野古移設への賛否以前に、税金を扱う行政として最低限の手続きを守れるのか。

玉城知事が説明すべきなのは、沖縄の「民意」ではなく、まず自らが率いる県庁で何が起き、なぜ長年放置されたのかという事実だろう。

玉城デニー沖縄県知事

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