AIバブルは崩れるのか?

半導体関連など一部の銘柄に株式の売買が集中する状態が顕著になっています。7月25日に72594円をつけた日経平均はいびつながらW天井形成にもみえ、その後、下落基調になっています。特に個人投資家が投機的にキオクシアの株で信用取引を行っており、強気と弱気が激しく交錯しながらも着実に下落しています。

キオクシアHPより

キオクシアの株価がまだ6万円台だった頃、証券会社のアナリストたちが目標株価11万円前後を次々と打ち出し、強気の姿勢を見せました。これがAIバブルに火をつけ、キオクシアからその関連銘柄にまで株価暴騰が波及しました。典型的な「宴相場」であり、こういう相場は必ず崩れることが分かっているのですが、たぶん、個人投資家の参加者の多くは「失敗経験不足」の若い方が多いように見受けられます。キオクシア株は高いので信用でレバレッジをかけざるを得ないという特殊要因もあるでしょう。

一部アナリストからは同社の目標株価をわずか4万円とするものも出てきましたが、その基本的考え方は現在の半導体ブームが落ち着いて平常時になった時の業績予想から計算したものです。これを信じるかどうかは投資家のご判断ですが、基本的には悪くないアプローチだと思います。

どんな株価でも一般的にブームの状態になると計算上の妥当株価よりはるかに高い金額まで買われます。理由は期待値が高まるからです。例えば会社側は「今期20%の増収増益を見込む」と発表してもアナリストが「会社側は保守的」と言ってみたり、株価掲示板あたりで「20%増益の訳がない。30%、いや50%増収増益になるさ」と何の根拠もないつぶやきが共鳴し、経験不足の投資家たちはそれを信じてしまう傾向にあるのです。

銘柄選びはどこまで慎重に行うか、と言えば7割ぐらいの方は市場の大きなうねりの中で最後は勘に頼っていると思います。そしてその勘は概ね強気であるわけです。私も試行錯誤を繰り返しました。今のような市況では銘柄を見つけ出すのが大変なのです。今後、1-3年でどのような業種に花が咲くか、次に値ごろ感がある株はあるのか、という探し方をしています。するとアナリストの予想に対して株価が3-5割ぐらい安いものは割と見つかるものです。ですが、安い株価は安いなりの理由はあります。それを理解した上で投資をするかどうか判断するので手を出したことがない新規銘柄を買うのは年に2-3銘柄しかないと思います。

一度でも売買したことがある銘柄はその後、ずっと追いかけ続けていますのでチャートが頭に入っており、決算などは適宜チェックしています。そのようなリストが150銘柄ぐらいあり、それらが安くなった時、個人的に「売られ過ぎサイン」が点灯していると判断し、買うわけです。ある程度成熟している産業や企業ですと株価はうねるのでそのうねりの底を捉えるようにしているのです。よって私のような投資スタイルでは間違ってもキオクシアを今、手掛けるということにはならないのです。

1年ぐらい前にこのブログでソフトバンクGが面白いと思う、と書いたころは同社株は2500円ぐらいの頃だったと思います。あの頃はもちろんブームの前。つまりいかに先取りできるかが投資の世界の前提になるわけです。先日、このブログで日経平均が1万円ぐらい下がっても大丈夫で、むしろ絶好の買い時が来ると申し上げました。私のイメージとしては5万円台半ばを考えてます。このイメージの裏付けとは(日経平均)ー(AIバブル上乗せ分)+(非AI企業株価の時間経過分の上昇分)をチャートから引き出しています。つまり今の6万円台後半は高すぎに見えるのです。

このところ、株価報道で韓国の株価指数、KOSPIの動きが荒れているとしばしば報じられており、日本株が韓国株に振り回されているようにすら報じられている感もあります。心理的に連動しているのは半導体株だけです。そして韓国の場合、仕事がないような若者が株に手を染め、ギャンブル的な状態になっていることで一種の社会問題になりかねない事態なのです。先般アメリカでADRで上場した韓国のハイニックス。話題を呼び、初日は13%ほど上げましたが、上場2日目の月曜日は大きく下げており、3日天井にすらならないのか、注目しています。同社株はスペースXと同じ道を辿るのか、極めて重要な岐路にあるとみています。(スペースXは月曜日に大きく下げ、安値更新です。)アメリカでは既にAI株は飽きられており、調整局面に入っている銘柄が続出しています。よって半導体メーカーの株価だけが調子よくなることはまずなく、最終的にはAIバブル崩壊までさほど遠くないところにあるとみています。

ただ、今回の場合、市場参加者には個人が多く、資金がAI関連に集中したことで損失を埋めるために利益の出ている銘柄を売るという動きになりにくいとみています。つまり指数的な下落はあれど多くの一般銘柄はむしろ上げるぐらいだろうと予想しています。

ところでホルムズ海峡が再び怪しくなってきて原油相場が反応しています。今後どうなるか、ですが、私は「空白のホルムズ海峡」を予想しています。つまりタンカーや商船が誰も入らない海域であります。よって石油の供給路が変わるものの対応は可能だとみています。原油が再び100㌦を超えるようなこともないだろうと予想しています。

ここまで高くなり、方向性が見えにくい市況全般ですが、個人的に今まだ買えるのは銀行株ぐらいではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月14日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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