どこの民主国家であれ、サンチェス首相ような立場になれば辞任するのが当然だ
6月22日、サンチェス首相の右腕とされていた元運輸大臣で党の組織委員長を務めたアバロス氏が懲役24年の刑を言い渡された。同様に、アバロス氏の秘書コルド氏も19年の懲役。コロナ禍で1300万枚のマスクを違法に輸入し、そこから暴利を得ていたのが発覚。それに関係して複数の犯罪を犯していた事が明らかにされた結果が今回の判決だった。
その一方で、夏休み終了後にサンチェス氏の弟ダビッド氏の判決が言い渡されることになっている。勿論、有罪の判決となる。更に、今年後半には彼の夫人ベゴーニャ・ゴメス氏の公判が始まる。懲役15年の求刑が要求されている。その後、アバロス氏の後任となった元組織委員長セルダン氏の公判も始まる。

スペイン・サンチェス首相インスタグラムより
サンチェス首相夫人を救出する作戦
彼の夫人が起訴されてから、サンチェス氏は妻を救うため、司法、警察、治安警察のキーマンとなる人物を「ゆする」べく、党員レイレ・ディエス氏がリーダーとなってあら捜しを開始した。その彼女がこれまで記帳していたノートには常にリーダーとして「P.S」の指示で動いていたことが判明している。
この件を捜査して来た治安警察の中央作戦部隊(UCO)は「P.S」とはペドロ・サンチェス首相であるという結論に達している。即ち、サンチェス首相が起訴されるのもあとは時間の問題だ。
サンチェス首相が辞任しない理由
そのサンチェス氏が辞任せず、また前倒し総選挙も実施しようとしない理由は二つある。ひとつは首相であれば必要時に権力を行使できる。もうひとつはスペインの内戦時に外国へ移民したスペイン人家族の孫に国籍を付与して投票できるようにさせること。
特に、キューバ、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル、米国などにスペイン人移民の孫が多く生活しており、彼らに国籍を付与していくことだ。既に60万人に国籍が付与されたとしている。毎日16000人のペースで国籍が付与されているという。外国の大使館や領事館でそれが実施されている。対象になる孫は240万人いるとされている。移民した家族がスペイン人であったという証明だけで充分だ。犯罪の前科など調査できる時間ない。
スペインを一度も訪れたこともなく、税金も納めてたこともない。勿論、住んだこともない。そのような人物に国籍を付与しようというのである。サンチェス首相の唯一の狙いは彼らに選挙で投票してもらうことである。移民した頃の当時の状況から推断して、左派政党に票が集まりやすい傾向がある。即ち、社会労働党の候補者に票が集まりやすいということになる。それも野党第一党国民党と票差の少ない選挙区に集中して投票させる意向だ。そのアレンジは現地に派遣する党員が調整することになっている。
4つの自治州選挙での郵便投票で社会労働党への投票数がトップになった
サンチェス氏は総選挙の実施を最後の最後まで待って、できるだけ多くの移民の孫たちに国籍を取得させ、彼らの多くがサンチェス首相の社会労働党の候補者に票を入れてもらうことを狙っている。
最近実施された4つの自治州の自治州選挙では外国からの郵便投票で一番票数が多かったのは社会労働党の候補者への投票数であった。アンダルシア州の選挙では社会労働党はこれまでの自治州選挙で最悪の結果に終わった。ところが、外国からの郵便投票だけを見ると、勝利した国民党への票は19%に対し愛悪の結果となった社会労働党への票は24%となっていたのである。
第3共和制を作るのがサンチェス氏の野望だ
サンチェス氏は独裁者として長期政権を維持したいのが彼の野望だ。立憲君主制を廃止して、共和制にしたいというのが彼の野望だ。実際、スペインはこれまで2回ほど共和制になっている。道義もない人物だから自分の野望を果たすためにはどのようなことでも躊躇うことなくやる危険人物だ。
それに対して第一党国民党のフェイホー党首は内閣不信任案を議会に提出する意向がない。彼は官僚的リーダーで、議席数で負けると勝手に思っているからである。与党を切り崩して行こうという意欲に欠け、チャレンジして行くこともできないのである。
現在の野党にはリーダーが不在である。これもサンチェス氏の野望を許している。







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