自分から「頑張っているアピール」をしてはいけない

内藤 忍

自分の頑張りを自分で声高にアピールするのは逆効果であることは多くの人が気がついてるはずです。

本人は「こんなに努力している」「これほど過酷な環境で成果を出している」と熱意をアピールをすればするほど周囲は白けてしまう。

その理由は本人はやる気を見せているつもりでも、周りにとっては「頑張っている自分」に対する自己満足や承認欲求にしか感じられないからです。

また仕事において価値を決めるのはプロセスではなく結果です。苦労自慢は能力不足の裏返しにさえ感じられてしまうのです。

だから「で、結果はどうなの?」というネガティブな反応になります。

高市首相がSNSで発信した「アイロン掛け」や「睡眠時間0~3時間」といった投稿が炎上して揶揄の対象になっているのは、そんな受け手の「頑張っているアピール」への反応を理解していないからです。

「アイロン掛け」は家事もこなす女性らしさで親近感を高めようとする意図もあったのかもしれませんが、「そんなこと時間を割く必要はない」「睡眠を削ってやる仕事ではない」という厳しい意見を生むだけでした。

むしろ、睡眠時間を削ることで健康面への悪影響があって不測の事態を招いたり、脳が充分に活動できず正しい意思決定ができないのではないかという懸念の方が大きくなってしまいます。

そもそも結果を出している人は、苦労や努力を自ら語ったりしません。睡眠時間が短かろうが影で血の滲むような努力をしていようが、表面上は涼しい顔をして圧倒的なパフォーマンスだけを見せる。これが周囲の人たちの心を惹きつけるのです。

大谷翔平選手が「睡眠時間を削ってバットの素振りしています」「子育てでほとんど寝ていません」なんて言い始めたらがっかりです。結果だけにコミットするから大きなリスペクトと人気を得ることができるのです。

高市首相は内閣支持率の低下に焦って今回のようなSNSでの配信を行ったのだと思いますが、支持率低下の要因は疑惑に対する説明責任を果たしていないことや皇室典範改正をはじめとする強引な政治手法への批判が高まっているからだと思います。

今回の炎上騒動で、自分から「頑張っているアピール」をしてはいけないという誰もが忘れてはいけない自己PRの基本が再確認できました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント