中国共産党政権の「法輪功メンバー迫害史」

米国居住の法輪功修練者たちは19日、ニューヨークの中国領事館前で「7.20反迫害27周年」集会を開催し、中国共産党政権の法輪功メンバーへの迫害を即刻中止せよと訴えた。中国共産党が法輪功メンバーへの迫害を始めて今年で27年目だ。その間、多くの法輪功メンバーたちが犠牲となった。中国共産党の「法輪功メンバー迫害史」をここで再度紹介する。

法輪功メンバーたちのデモ行進(2015年9月19日、ウィーン市内で撮影)

1990年代後半に入ると、李洪志氏が創設した中国伝統修練法の気功集団「法輪功」の会員が中国国内で急増し、1999年の段階で1億人を超え、その数は共産党員数を上回った。法輪功は宗教ではない。心と体のバランスを維持する上で役立つ修練法だ。貧しい国民だけではない。共産党幹部たちも法輪功に惹かれ、トレーニングする者が出てきた。

法輪功の増加を恐れた江沢民国家主席(当時)は1999年、法輪功を壊滅する目的で「610公室」を創設した。「610」という数字は同公室が1999年6月10日に設立された日付から由来する。旧ソ連時代のKGB(国家保安委員会)のような組織だ。法輪功メンバーの取締りを目的とした専門機関だ(「中国の610公室」2006年12月19日参考)。法輪功メンバーへの迫害は習近平時代に入っても続いている。

共産主義は「宗教はアヘン」として糾弾し、迫害してきた。法輪功は、繰り返すが宗教ではない。それではなぜ中国共産党政権は法輪功学習者を敵視し、迫害し、拷問し、生きたままでその臓器を摘出し、最後は殺してしまうのか。なぜ中国共産党政権は法輪功をそれほど敵視するのか。その答えは、先述したように、法輪功学習者の数が共産党党員の凌ぐほど国民各層に広がっていったからだ。

(中国共産党中央組織部が発表した公式統計によると、2025年末時点の党員数は1億1,286,000人。前年(2024年末)から101万5,000人増加し、過去最多を更新した。中国国内の厳しい就職市場や昇進への有利さから、依然として若者を中心に高い入党希望者がいる)

大紀元によると、中国共産党の党員数は約9000万人と推定されている。実数はそれよりかなり少ないという。一方、李洪志氏が中国伝統修練法の法輪功を世界に広げ、現在、世界100カ国以上にメンバーを有している。

「610公室」は現存の法体制に縛られない超法規的権限を有し、法輪功の根絶を最終目標としている。中国当局は拘束した法輪功メンバーから生きたままで臓器を摘出し、それを業者などを通じて売買している。西暦2000年から08年の間で法輪功メンバー約6万人が臓器を摘出された後、放り出されて死去したというデータがある。

中国の不法臓器摘出の実態を報告したカナダ元国会議員のデビッド・キルガ―氏は、「臓器摘出は中国で大きなビジネスだ。政府関係者はそれに関与している。法輪功メンバーの臓器を生きたまま取り出し、共産党老幹部に移植したり、一部の富豪者に高額で売っている。法輪功メンバーの家族が遺体を引き取った際、遺体には腎臓などの臓器が欠けていたと証言している」と報じた。

海外中国メディア「大紀元」(2021年7月4日)は法輪功学習者の迫害状況を詳細に報じた「明慧ネット」の記事を紹介してたが、法輪功メンバーへの弾圧は非情だ(「法輪功メンバーから臓器摘出」2006年11月23日参考)。

中国当局によれば、同国では2005年までに通算約9万件の臓器移植が行われた。1999年前までは約3万件だったというから、1999年から2005年まで過去6年間で約6万件の臓器移植が実施されたことになる。興味をひく点は、臓器移植件数が急増した1999年以降は法輪功が非合法化され、メンバーへの弾圧が始まった時期と合致することだ。キルガー氏は「中国では臓器移植の少なくとも98%が親族関係者以外だ。約41,000件の臓器提供者の身元が不明だ。法輪功メンバーや囚人から生きたままで臓器が摘出された可能性が高い」と報告している。

参考までに、以下は「中国国際移植ネットワーク・アシスタンス・センター」(瀋陽市)がサイトに掲載していた臓器移植の値段リストだ。同サイトは2006年4月、(中国当局によって)閉鎖された。同リストは臓器売買が大きなビジネスであることを証明している。

腎臓         62,000
肝臓         98,000~130,000
肝臓・腎臓     160,000~180,000
腎臓・すい臓    150,000
肺         150,000~170,000
心臓        130,000~160,000
眼球角膜       30,000

※単位USドル


インタビューに答える陳用林氏(2005年11月3日、ウィーンにて)

当方は2005年11月3日、 シドニー中国総領事館の元領事で同年夏、オーストラリアに政治亡命した中国外交官の陳用林氏(当時、37歳)と会見した。同氏は「610公室」のメンバーだった。陳用林氏はオーストラリアにいる中国人社会を監視し、法輪功メンバーがいたらマークするのが任務だった。彼は自身の任務に疲れ、その職務に疑問を感じて亡命した(「欧州駐在の悲しき中国外交官」2020年9月4日参考)。

同氏は政治亡命の動機について、「一つは自由を求めてだ。14年間、外交官として生きてきたが、真の自由はなかった。いつも監視下にあったからだ。また、自分が政治亡命することで母国の民主化を促進させたいという願いがあった。駐シドニー総領事館では中国出身の同胞国民を監視することが私の任務だったが、それが耐えられなくなった。中国政府は政治亡命した私を『祖国の裏切り者』と批判するが、私は祖国から逃亡したのではなく、中国共産党から逃亡しただけだ」と述べた。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年7月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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