トランプ大統領の陣営やホワイトハウスがSNSに投稿した動画から、米人気歌手テイラー・スウィフトの楽曲が相次いで消えている。
英紙ガーディアンによると、トランプ陣営は8月6日、スウィフトのアルバム”Red”を共和党のシンボルカラーに引っかけ、「テイラー・スウィフトが共和党の色についてアルバムを丸ごと1枚書いたことを知っていた?」という趣旨の動画を投稿したが、今は無音になっている。

テイラー・スウィフト
スウィフト側の権利者が削除を求めた?
8月3日にトランプ陣営のTikTokアカウントが投稿した動画では、ドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人が花火を見る映像に、スウィフトの”August”が使われていたが、これも無音になった。
“Red (Donald Trump’s Version)”など、スウィフトの作品名をトランプ流に改変する動画からも音声が消えた。過去にスウィフトの”Father Figure”などを使用していた動画も同様に無音になっている。
なぜ削除されたのか。現時点でスウィフト本人もホワイトハウスも公式には説明していないが、TikTok上では、スウィフトの楽曲の一部について著作権者によって利用できなくなったという表示が出ている。スウィフト側または楽曲の権利者が著作権上の権利を行使した可能性が高い。
トランプ陣営の「炎上マーケティング」か
トランプ陣営はスウィフトとの関係が悪いことを承知した上で、あえて彼女の楽曲を使っているように見える。スウィフトは2024年大統領選で民主党候補だったカマラ・ハリス氏への支持を表明した。これに対しトランプ氏はSNSで”I HATE TAYLOR SWIFT!”と投稿。その後も彼女を繰り返し批判してきた。
それなのに、トランプ陣営はスウィフトの曲を使う。これは事故というより炎上商法の疑いが強い。スウィフトのファンが怒れば怒るほど投稿は拡散され、ニュースにもなる。ホワイトハウスは過去のSNS投稿について、メディアが大々的に取り上げることを承知して制作した趣旨の説明までしている。
アーティストを「政治広告」に利用できるのか
問題はスウィフトだけではない。トランプ政権や関連アカウントによる楽曲使用には、アリアナ・グランデ、サブリナ・カーペンター、オリヴィア・ロドリゴ、ケイティ・ペリーら多くのアーティストが反発してきた。移民摘発など自分たちが支持していない政策を宣伝する動画に、自分の楽曲が使われることへの抵抗である。
政治家にとって、世界的スターの曲は極めて強力なSNS素材だ。しかし楽曲を利用できることと、アーティストがその政治家を支持していることはまったく別の話だ。まして今回は、スウィフトとの対立そのものをネタにして楽曲を使っていた。
トランプ流SNS戦略は、批判されても炎上しても注目を集めれば成功なのかもしれない。しかし著作権者には、政治家の「炎上商法」に付き合う義務はない。







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