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先に結論を言う。ダイエットに運動はいらない。カロリー計算もいらない。
……いや、言い過ぎた。正確には「頼るな」だ。まあ、ほぼ同じことだが。
「カロリー気にせず食べて健康に痩せる コンビニ3品ダイエット」(齋藤好美 著、濱裕宣 監修)かんき出版
体重50キロの人が1時間歩いて、消費カロリーは150キロカロリー前後だという。ご飯1杯分。1時間歩いて、茶碗1杯。この数字を初めて見たとき、しばらく固まった。あの汗は何だったのか。
思い当たる節しかない。私の場合は神宮球場だ。ヤクルトが勝った夜は気分がいいので、一駅ぶん余計に歩きたくなる。歩いたし、と駅前のコンビニで唐揚げとビール。翌朝の体重計。無言。
この繰り返しで人は太る。「運動した達成感」というやつが一番の敵で、「このくらい食べてもいいよね」と財布の紐と理性を同時に緩めてくる。逆パターンもある。「あとで運動すればいいや」と食べて、運動する時間は、来ない。永遠に。
じゃあカロリー計算か、というと、これも違うらしい。カロリーの低い野菜ばかり食べれば数字上は痩せる。が、栄養が偏る。極端な制限は筋肉を削り、基礎代謝を下げ、結果「前より太りやすい体」が完成する。痩せるために始めたダイエットで太りやすくなる。何かの冗談か。数字を追いかけるほど、肝心の「何を食べるか」が抜け落ちていく。
「コンビニ3品ダイエット」の答えは拍子抜けするほどシンプルで、1食の中に「糖質」「タンパク質」「食物繊維」の3つをそろえろ、これだけだ。名付けて「痩せ食トライアングル」。おにぎり、サラダチキン、カット野菜。はい完成。計算不要。
コンビニ商品には栄養成分表示が必ずあるから、「入ってるかどうか」を意識するだけでいい。監修は東京慈恵会医科大学附属病院の栄養部部長・濱裕宣氏。「我慢と忍耐と根性」の食事制限は長続きしない、と専門家のほうから言い切ってくれるの、ちょっと救われませんか。
本には朝・昼・夜それぞれ7パターンの組み合わせ例が載っていて、実はコンビニ縛りですらない。考え方さえ持ち出せば、家メシでも外食でもいい。
食べてもすぐ腹が減る人、それはたぶん意志の弱さじゃなくて組み合わせの問題だ。おにぎりだけ、サラダだけ、肉だけ。偏った1食は腹持ちが悪い。で、間食。で、自己嫌悪。この負のループ、根性で切れるわけがない。仕組みで切る。
運動は、体を引き締めたくなったら「おまけ」でやればいい。まずは今日のコンビニで、カゴに3品。それで始まる。始まってしまう。ダイエットって案外そのくらい適当でいいのかもしれない。知らんけど。いや、本に書いてあるんだから知ってるのか。
※ここでは、本編のエピソードをラノベ調コラムに編集し直しています。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
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