黒坂岳央です。
筆者は住宅を購入するために、フルローンを組んで35年返済の借金をしている。ある時、親族と住宅ローンについての話題になったので、少し自分の事情を話したら相手から大変驚かれた。「そんなに借りて大丈夫なのか? 生活は大丈夫?」と本気で心配されてしまった。
自分はむしろ相手の反応に驚いた。なぜなら、逆の反応が来ると思っていたからだ。自分が知るお金持ちの人たちは「高額な買い物にはキャッシュを出さず、お金を借りる」という話を何度も聞いてきたし、自分もそうしている。
おそらく「借金=悪」という認識は、かなり根強いようである。

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信用がないと借金できない
借金をしたことがなく、毛嫌いする人が知らない事実として「借金は信用がないと借りることが出来ない」ということだ。
サラ金、闇金は別だが住宅ローンや自動車ローンなど、銀行からお金を借りるのは簡単なことではない。山ほど書類を出し、時には何度も電話をやり取りしてようやく審査がおりる。落ちてしまう人も珍しくない。
そのため、前提として「借金はお金がなくて困っている人がするもの」だけでなく「信用力を使って借りるもの」もある。この場合、「その気になれば現金一括で購入はできるが、他の運用などで増やす軍資金には手を付けず、手元資金は確保しておく」というのはまったく珍しいことではない。
特に車や家など高額な買い物で現金払いは非常に大きな機会ロスになる。
「借金は自分を縛る鎖」という誤解
「住宅ローンをたくさん借りたら、それは自由度を失う鎖になる」
「今後は金利上昇していけば、軍資金の運用益を超えるコストになるのでは」
こういった反論もよく見る。だが、結論から言うとこれらは知識不足から出た意見だ。
まず、住宅ローンを毛嫌いする人がいるが、月額賃貸も実質的にはローンと変わらない。いや、金利上昇すれば大家側に家賃の値上げインセンティブが働き、資産ではなくキャッシュアウトなので極めてインフレに弱い。人は家に住まねば生きていけないので、「ローンと家賃」は呼び方が違えど、全員必ずかかる。
そして金利上昇するからローンはダメ、という人がいるが金利が上がると家賃も上がる圧力がかかる。すでに東京は定期借家契約が増加し、家賃の値上げの打診も増加している。SNSでは「普通契約なら機械的に断ればいい」と意見が出ているが、周辺一帯の家賃が上昇していれば値上げされる。さらに、「身軽でいたいから賃貸」という人は、引っ越したタイミングで値上げされた賃貸に住むことになるので逃げ場がない。
さらに住宅ローンはいよいよとなれば繰上返済、というオプションがある。極論、資産運用の収益を超えるような金利になることがあれば(あまり考えにくいが)、その時は必要に応じて繰上返済をすれば金利上昇リスクはヘッジできる。だが賃貸にはヘッジ商品がない。この非対称性で考えると、「借金が怖いから賃貸」というのはおかしな話だ。
貧乏専用の借金
もちろん、世の中のすべての借金が素晴らしいわけではない。その代表が高い金利を払って、資産を生まないものを買うための借金である。典型的なのが、リボ払い、消費者金融、高金利のカードローンだろう。
これらは住宅ローンや低金利の自動車ローンとは性質がまったく違う。借りたお金で株式や不動産、事業などの資産を取得するわけでもなく、将来のキャッシュフローを生むわけでもない。ただただ無駄な金利を払うだけだ。これは完全にデメリットしかないので、なるべく一生使わないに越したことがない。
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借金の金額が大きいと「ダメ人間」「貧乏人」という印象があるが、銀行はそんな属性に絶対にお金を貸さない。良い借金をするのは貧乏人ではなく、その真逆でお金持ちほど喜んで借金をするのだ。
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「Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)







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