ベルリン市議会「台北友好グループ」設立

大紀元時報(エポック・タイムズ)が報じたところによると、ドイツのベルリン市議会は27日、「ベルリン・台北友好グループ」を正式に設立した。同グループには18名の超党派市議員が参加している。同市議会では初の公式に登録された外国友好グループとなる。共同議長のジャン・オマール氏は同日の設立大会で、「中国共産党の台湾に対する軍事的・政治的脅威に直面し、民主派は台湾と共に立つべきだ」と述べた。

台湾外交部の林佳龍部長(外相)はドイツ連邦議会における親台湾議員グループ代表を務めるティル・シュテフェン議員率いる超党派議員訪問団を歓迎、2026年5月26日、写真は台湾外交部提供

同友好グループは2022年に親台湾派の議員たちによって自発的に結成されたもので、州議会の3党の党派で承認され、ベルリン市議会に今回、正式に登録された。「ベルリン・台北友好グループ」設立を支持する議会グループには、「キリスト教民主同盟」(CDU)、社会民主党(SPD)、「緑の党」が含まれ、18人のベルリン州議員が参加し、元党団議長のタマラ・リュドケ氏とジャン・オマール氏が共同議長を務める。

ドイツと台湾(中華民国)の間には正式な国交はないが、近年、両国の議員交流(議会外交)は「過去最高水準」と呼ばれるほど活発化している。今回創設された超党派議員による「ベルリン・台北友好議員グループ」はドイツ国内における親台派の動きの強まりを象徴している、と受け取られている。

ドイツ連邦議会には、公式の対外友好団体として「ベルリン・台北友好議員連盟(Parlamentarischer Freundeskreis Berlin-Taipei)」がある。2026年5月にもティル・シュテフェン議長率いる超党派の連邦議員団が台湾を親善訪問し、台湾の頼清徳総統や閣僚(外交部長など)、立法院(国会)議員らと直接会談し、経済・文化や防衛分野での協力強化を話し合ったばかりだ。同議連は、台湾の世界保健機関(WHO)などの国際機関へのオブザーバー参加を後押しする決議や声明を繰り返し発表している。

台湾との議員交流は、ここにきて連邦(国会)だけでなく地方(州)レベルにも急速に波及してきたわけだ。台北駐ドイツ代表処(大使館に相当)によると、ベルリン市(特別州)だけでなく、ハンブルク州、ニーダーザクセン州、ヘッセン州、バイエルン州の各議会でもすでに同様の「台湾友好議員グループ」が結成されている。

中国側からの強い反発にもかかわらず、ドイツと台湾の交流が活発化してきた背景には、共通の価値観、安全保障問題があるからだ。ドイツ側には「台湾はアジアにおける民主主義の灯台」という認識が強い。

ドイツ議会側の動きは、「1つの中国」政策を維持しつつも、実質的なパートナーとしての台湾の重要性を認め、国会から地方議会に至るまで組織的な交流ネットワークを強固に構築してきたわけだ。

中国からの反発や抵抗は強まっている。ドイツと台湾の議員交流が活発化するにつれ、中国政府は激しい反発と抵抗(外交的圧力や抗議行為)を示している。中国は台湾を「自国領土の不可分の一部」と主張しているため、ドイツの政治家が台湾と接触することに対して極めて敏感に反応している。ドイツの国会議員や地方議員が訪台するたびに、中国外務省や在ベルリン中国大使館は公式声明を出し、猛烈に批判している。 中国外務省の報道官は、ドイツ議員の訪台に対し「台湾問題というレッドラインを越える者は、必ず代償を払わねばならない」と強い言葉で警告している。

2025年後半、ドイツのヴァーデフール外相が台湾海峡での中国の武力現状変更を批判した際、中国側の反発によって同外相の訪中が一時延期される事態が起きた。その後行われた北京での会談でも、中国の韓正国家副主席は「台湾問題は核心的利益の中の核心である」と述べ、内政干渉を絶対にしないよう強く要求した。中国政府は、台湾を訪問する外国の議員に対して「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として入国禁止などの制裁を科す方針(新しいレッドライン)を強めている。

中国からの強い反発に対し、ドイツの議員らは「屈しない」姿勢を明確にしている。ドイツ連邦議会の「ベルリン・台北友好議員連盟」を率いるティル・シュテフェン(Till Steffen)議長(「緑の党」所属)は、ドイツと台湾という民主主義社会同士の交流は当然のものであり、「第三者(中国)からの干渉は受け入れない」と明言している。中国政府からの訪台抗議や圧力に対し、台湾との関係は中国によって左右されるべきではないという強硬な姿勢を貫いている。また、台湾とドイツがともに権威主義(主に中国の軍事的・政治的拡張)の脅威に直面しているとして、台湾海峡の平和と安全を極めて重視し、自由と民主主義という共通の価値観を持つパートナーとして強固に団結し、互いに学び合いながら民主主義の強靭性を高めるべきだと主張している。

ちなみに、ドイツと台湾の二国間貿易額は、2025年に約217億米ドル(前年比6.0%増)に達し、5年連続で200億ドル以上の高水準を維持している。両国の経済関係は極めて緊密で、世界的なAI(人工知能)ブームを背景とした半導体などのハイテク部品や、自動車・産業用機械の分野で相互補完的な強い結びつきを持っている。ドイツの半導体大手やサプライヤーによる台湾投資、および台湾のTSMCによるドイツ・ドレスデンへの巨大半導体工場建設を背景に、2025年のドイツから台湾への認可投資額は2億900万米ドル(前年比264%増)と驚異的な伸びを記録した 。ドイツは台湾を、経済安全保障におけるアジア太平洋地域の最も重要な戦略的ハブと位置づけている。

メルツ独政権はメルケル前政権時代の「経済最優先(経済交流を通じて中国の民主化を促す『貿易による変化』)」路線を修正し、安全保障とリスク管理を重視する新たな方針へと舵を切っている。アメリカが進める「デカップリング(経済の完全な切り離し)」とは異なり、ドイツは中国市場とのつながりを維持しつつ、過度な依存度を下げる「デリスキング(De-risking)」を基本戦略に据えている。重要な原材料や先端技術、エネルギー分野では、中国に生殺与奪の権を握られないようサプライチェーンを多角化(リバランス)することを目指している。

特筆すべき点は、台湾海峡の「力による現状変更」に強く反対し、ドイツ政府の公式文書や首脳発言において、「台湾海峡の平和と安定」への関与を明確に打ち出していることだ。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年8月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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