
世田谷区は民泊推進にアクセル
これまで、騒音・ゴミ出し問題などをはじめ、地域住民を悩ませている民泊・旅館業(名ばかりホテル)に対して、23区は続々と規制強化に動いています。しかし、この動きとは正反対の“民泊推進区”としてアクセルを踏み込んでいるのが、わが世田谷区です。
ひえしまは世田谷区議として、民泊・旅館業に一貫して反対してきました。騒音、ゴミ出しなどによる住環境の悪化は、最初から容易に想定できたからです。
しかし、東京オリンピックにまつわる宿泊施設の不足やインバウンド需要を理由として、保坂区長も世田谷区議会も、盲目的に推進してきました。その結果、ご存知の通りの事態になっています。

民泊・旅館業規制を議会で訴えるひえしま
民泊営業は平日もOKに
間違いはあります。大切なことは、その間違いを速やかに改めることですが、あろうことか保坂区長は、これまで民泊推進の先頭に立ってきましたし、これからもその姿勢を変えることはありません。なぜならば、条例改正に向けての協議会で示された内容を見てみれば、明らかだからです。
まず、象徴的なものとして、「優良事業者の規制撤廃」という項目が盛り込まれようとしています。

資料①
民泊は法律で180日を超える営業は認められていません。世田谷区では条例で、第1種低層などの住居専用地域では、「週末の営業のみ」を認めていますが、改正して平日の営業も可能にしようとしているのです(資料①)。
制限解除の要件を見てみると、家主居住型であることや近隣住民への事前周知を行うことなど、至極当たり前のことしか書かれていません。まず、家主居住とはどういう定義なのでしょうか。同じ建物内にいることなのか、同じ敷地にいればよいのかなど、細かい定義が必要でしょう。
仮に様々に定義しようとも、土日から平日に営業を拡大するわけですから、区民の理解を得るのは難しいと思います。家主がいようがいまいが、ガラガラガラとキャリーケースを引いた集団が、静かな住宅街を行き来すること自体、似つかわしくないことおびただしいのです。
旅館は無人フロントOK

資料②
また、旅館業については、フロント(玄関帳場)の設置を義務付けるようですが、ICTの活用を認めるので、他区のように家主や管理人の常駐を条件にするわけではありません(資料②)。つまり無人でOKということです。
民泊も旅館も近隣住民とトラブルになる理由は、問題が起きた時に、その施設に人がいないということです。連絡先に電話しても誰も出ないということが多い。少なくとも、条例改正では家主常駐を絶対条件にするべきではないでしょうか。
民泊・旅館による地域貢献はほぼ“ない”

資料③
そもそも、世田谷区に民泊や旅館業が必要なのでしょうか。区は目的として①地域との共生、②地域経済、③観光・国際交流、④災害対策を挙げています(資料③)。ひえしまは毎回、協議会を傍聴していますが、どの委員も明確なメリットを語れていませんでした。
①と②についてですが、民泊オーナーが町会や商店街に加入し、交流している例は極めて稀です。そもそも圧倒的多数の民泊、旅館は家主不在なのですから、交流もへったくれもありません。宿泊客の需要を期待する商店街ですが、せいぜいコンビニで買い物するくらいでしょう。
③については、世田谷区の観光資源は限られています。すぐに思いつくのは、豪徳寺や下北沢、三軒茶屋といったところでしょうか。事実、このエリアに民泊や旅館が集中しています。国際交流もねらいにありますが、外国人宿泊客と地域住民が交流って、いったい何をやるのでしょうか?
④は、世田谷区が被災したとき、家主不在が大多数なのですから、土地勘のない宿泊客が無事に避難できるかどうかをまず考えるべきです。被災した他自治体住民の宿泊先として活用する、という案は可能かもしれませんが、商売目当てのオーナーが速やかに必要なだけ協力してくれるのでしょうか。甚だ疑問です。
他区から業者が流れてくる
ないない尽くしでかわいそうにもなってきますので、区内大学の受験期の宿泊先としてはどうでしょうか。事実、こう提案した委員もいましたが、宿泊代がビジネスホテルよりも断然高く、この時期に民泊が空いているという保証もないので、やはり活用できないのです。
かくて、民泊・旅館業は世田谷区民にとって、ほとんどメリットはありません。ましてや、騒音、ゴミ出し、深夜の誤訪問、治安悪化などのデメリットがあまりにも大きい。それに、今後は23区中もっとも規制が緩い自治体、というよりも、“民泊推進区”となるので、他区から業者が世田谷区に流れてくる可能性は、かなり高いでしょう。
皆さん、パブコメに参加を!
民泊・旅館は世田谷区に本当に必要なのでしょうか? ここで立ち止まって、しっかり考えるべきです。そもそも海外での民泊の概念は、大人数で飲み食いしながら、ワイワイ騒ぐ施設なのです。ですから、閑静な住宅街に作るべきものではありません。このままでは、保坂区長の思惑通り、民泊、旅館業がどんどん推進され、「世田谷ブランド」が崩壊してしまいます。
世田谷区は、条例改正に関するパブリック・コメントを9月15日から10月6日まで募集します。皆さん、ぜひご意見をお寄せください!







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