
効率化。この言葉を聞いて、胸がチクリとしない人がどれだけいるだろうか。
正直に言う。私も何度も挫折してきた。時間管理アプリをダウンロードして3日で消した経験、ある。タスク管理ツールを意気込んで導入して、1週間後には「設定が面倒」と放置した経験、ある。仕事術の本を買い込んで、積読のまま本棚で埃をかぶっているもの、たぶん10冊はある(数えたくない)。
『実家がしんどい! こちら「身内トラブル」のご相談窓口です』(若杉恵 著)三笠書房
「結局、何から始めればいいかわからない」——この感覚、痛いほどわかる。
効率化の方法なんて、世の中に溢れている。YouTube、ウェブセミナー、ビジネス書。どれも魅力的なことを言う。「これで劇的に変わります」「生産性が3倍に」。嘘じゃないんだろう。たぶん。でも、いざ自分がやろうとすると、どれも大がかりで、いまの忙しさの中では無理に見える。
で、気づいた。
挫折する人には共通点がある。完璧を目指しすぎるのだ。
よくある失敗パターンを書く。「効率アップしよう」と決意する。まず時間管理アプリをダウンロード。次にタスク管理ツール。さらに仕事術の本を3冊買う。「これで完璧だ」と思う。ところが、どのツールをいつ使えばいいかわからなくなる。アプリの設定に2時間取られる。本末転倒。結局3日で諦める。「やっぱり自分には無理だった」と落ち込む。
——これ、完全に過去の私だ。
問題はツールじゃない。「一度にすべてを変えようとした」こと。それ自体が失敗の原因なのだ。
効率アップで大事なのは、小さく始めること。たった一つの工夫から。それだけでいい。
何から始めるか。答えは単純だ。「毎日必ずやる作業」を見つける。メールを書く。資料をつくる。会議の準備をする。どれも毎日やってることだろう。この中で、いちばん「時間がかかってるな」と感じるものは何か。「いつも悩むな」と思うものは何か。
そこが出発点。
完璧を求めない。60点の改善でいい。ゼロからつくるより圧倒的に早い。少し手を加える。少し工夫する。少し違うやり方を試す。この「少し」が、積み重なると馬鹿にできない。
完璧な準備なんていらない。詳しい知識も、特別なスキルも、いらない。「ちょっと工夫してみるか」——その軽さでいい。
明日の朝、いつものように仕事を始めたとき。一つだけでいいから、いつもと違うやり方を試してみてほしい。
それだけで、何かが変わる。たぶん。知らんけど。
※ここでは、本編のエピソードをラノベ調コラムに編集し直しています。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
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『3時間で身につくClaude活用術』(WAVE出版)









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