福岡県議会の国民民主県連代表が海外出張の「タイタニック」ポーズで辞任

福岡県議会をめぐる騒動で、国民民主党福岡県連の大田京子代表が9月5日、県連代表を辞任する意向を明らかにした。問題になったのは、2024年1月のタイ視察で撮影された、映画「タイタニック」を思わせるポーズの写真である。

タイタニックのポーズを取る大田氏(左)と蔵内前議長(センキョタイムズWEB)

福岡県議会では、高額な海外視察、県幹部職員らによる正副議長の政治資金パーティー券購入、議長人事をめぐる金銭授受疑惑などの問題が次々に噴出し、国民民主はそれを追及していた。その最中にこのバカバカしい写真が発掘された。

海外視察という名の豪華客船

そもそも今回の騒動は、一人の県議が船首でポーズをとったことが本質ではない。問題なのは、福岡県議会という船だ。県議会の海外活動をめぐっては、高額な費用や旅行業者との契約方法が問題視された。

県議会は現在、海外活動の報告書や経費をウェブサイトで公開している。2026年だけでもバンコク、ハワイ、韓国などへの訪問が並んでいる。おまけに海外出張に「コーディネーター」と称して元県議を同行させていたことも明らかになった。

福岡県議会が抱えている氷山は海外視察だけではない。正副議長への就任をめぐり、元議長ら2人が自民党県議団幹部に現金計2750万円を渡したと証言した問題がある。名指しされた側は受け取りを否定しているが、録音データまで報道される事態になった。

自民だけを悪役にすれば済む話ではない

ここで「自民党が悪い」で終われば話は簡単なのだが、そうもいかない。8月17日の臨時議会では、藏内議長への辞職勧告決議案の採決を取りやめる緊急動議が可決され、自民党だけではなく、当時の民主県政県議団なども賛成した。

その後、藏内氏は8月25日に議長だけでなく県議を辞職したが、金銭授受疑惑については否定している。さらに第2会派だった民主県政県議団も9月1日に解消され、3会派に分裂した。

議長が消え、第2会派も解体し、国民民主党県連代表まで辞任する。タイタニックなら救命ボートを下ろし始める頃である。

沈んでいるのは誰なのか

6月には海外視察などを見直すプロジェクトチームが設置されたが、その会議では報道機関に退出を求めた。過去の海外視察を詳しく検証する予定もないと報じられた。しかも一時は、議員への取材場所などを制限する取材ルールまで検討された。

だから大田氏の「タイタニック」ポーズだけを責めるのは公平ではない。大田氏が公表した2024年1月のタイ視察経費は34万8550円だったが、福岡県議会の海外視察は4年間で3.6億円といわれ、他にも多くの不適切な支出が明らかになっている。

タイタニック事故の教訓は、巨大な船に乗っている人々が「この船は沈まない」と思い込み、目の前の氷山への対応が遅れたことである。問題はここまで乱脈な議会運営を与野党がなぜ放置してきたのかである。福岡県民が知りたいのは、それだろう。

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