沖縄県知事選、玉城県政8年の「成績表」が争点に:公金問題や辺野古事故への対応も

9月13日投開票の沖縄県知事選は、現職の玉城デニー氏と新人の古謝玄太氏が激しく競り合っている。辺野古移設の是非や経済政策が主要争点となっているが、選挙戦が最終盤に入るにつれ、もう一つのテーマが浮上している。玉城県政8年間をどう評価するかである。

玉城デニー知事・古謝玄太氏 両候補Xより

「実現率98.6%」でも残った大型公約

玉城氏は2018年の就任後、1期目の公約291項目すべてに着手し、287項目を予算化したとして「実現率98.6%」と自己評価してきた。しかし、これは「着手・予算化」を実現と数えた数字だ。

結果で見れば、最大の公約だった「辺野古に新基地を造らせない」は実現していない。県は国との訴訟に敗れ、国による代執行を経て工事は進んでいる。鉄軌道導入も事業化には至っていない。子どもの医療費助成や待機児童減少など成果もあるが、3期目を目指す以上、「取り組んだ」ではなく「何が実現したのか」が問われるのは当然だろう。

ワシントン事務所に浮上した行政手続きの不備

行政運営をめぐる問題もある。ワシントン事務所では、県が米国に設立した法人について文書による意思決定がなく、株式の公有財産管理、職員の営利企業従事許可、議会への経営状況報告といった法定手続きが欠けていたことを県自身が認めた。

県議会の百条委員会も「県行政への信頼に影響を与える重大な不備」と指摘している。辺野古問題を国際社会に訴えることの是非とは別に、公費を使う以上、手続きの透明性と説明責任は免れない。

補助金・委託事業にも付きまとう「透明性」

公金をめぐっても、万国津梁会議の設置支援業務で約2166万円が支払われた契約について、受託者選定や支払い方法を疑問視する住民訴訟が起きた。裁判では原告側の請求は棄却されたものの、県政と近い関係者への事業委託ではないかとの批判は長く尾を引いた。

さらに2023年には県の申請ミスで国庫補助金約2億3000万円を受け取れない可能性が判明し、玉城氏自身が謝罪している。政策理念以前に、行政組織として公金を適切に管理できているのかという問題は、知事選でも検証されるべき論点だ。

「命を守る」県政と辺野古をめぐる死亡事故

さらに重いのが、辺野古をめぐる事故への対応だ。2024年6月、名護市安和で抗議活動中の女性と警備員がダンプカーに巻き込まれ、警備員が死亡した。道路管理者である県には沖縄防衛局からガードレール設置などが繰り返し求められていたとされ、事故後には安全対策が十分だったのかとの批判が強まった。

2026年3月には辺野古沖で、同志社国際高校の生徒らを乗せた船2隻が転覆し、高校生と船長の2人が死亡した。船は事業登録がなく、文科省は学校の安全管理を「著しく不適切」と認定した。県の教育旅行推進事業のアドバイザーに抗議船運航団体の関係者が含まれていたことも県議会で問題となった。

玉城氏は今回も「平和」と「暮らし」を訴える。しかし有権者が審判するのは新しい公約だけではない。8年間の実績、公金管理、行政の透明性、そして「命を守る」と掲げる県政が事故にどう向き合ってきたのか。古謝氏との接戦の行方は、玉城県政そのものへの評価にかかっている。

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