SNSで華やかな生活を発信し、人気キャバクラ嬢として知られていた「ヤマトリノ」こと田沢梨乃容疑者(27)が、コカインを所持した疑いで警視庁に逮捕されました。交際相手の福本康太容疑者(28)も同じ容疑で逮捕されています。

ヤマトリノこと田沢梨乃容疑者インスタグラムより
警視庁によると、2人は9月15日、東京都港区六本木の自宅でコカイン約0.4gを共同で所持した疑いが持たれています。田沢容疑者は「2人で一緒に使っていました」などと容疑を認める一方、福本容疑者は否認しているといいます。
自宅から白い粉末入りの袋21袋
自宅からは、コカインとみられる白い粉末が入った袋約20袋のほか、吸引に使ったとみられるストローも押収されました。警視庁は薬物の入手経路や使用頻度、常習性について調べています。
田沢容疑者は六本木の高級キャバクラで人気を集め、SNSでも多数のフォロワーを抱えるインフルエンサーでした。月商2億円を超えたこともあるとされ、夜の業界では「成功者」として知られる存在でした。
「成功の象徴」と薬物の落差
しかし、そのキャバクラ業界自体はいま曲がり角にあります。東京商工リサーチによると、2024年上半期の「バー、キャバレー、ナイトクラブ」の倒産は47件と過去10年で最多となり、このうちキャバクラは10件で過去最多でした。さらに2024年度には、居酒屋などを含む「飲み屋」の倒産が276件と過去最多を更新しています。実質賃金の伸び悩みや物価高、人手不足、コロナ支援の終了などが重なっています。
一方、別の問題も指摘されています。かつてキャバクラは会社帰りの男性が酒と会話を楽しむ「癒やしの場」という側面がありましたが、近年は一部の人気店や人気キャストへの客と売り上げの集中が進み、「金のない客は来るな」とでもいうような高額消費を前提とした世界になった、という批判です。風俗店など他の夜のサービスと比べても割高だと感じ、離れていく客がいるという見方もあります。
元トップキャバ嬢の愛沢えみり氏も、SNSでは繁盛しているように見えても、それは東京や大阪の一部の人気店に集中している現象だと指摘しています。会社の打ち上げや接待でキャバクラを利用する機会が減り、ガールズバーやラウンジ、コンカフェ、マッチングアプリなど選択肢が広がったことで、全国的には「キャバクラ離れ」が進んでいるとの見方を示しています。
【参照リンク】〈キャバクラの閉店が過去最多〉「東京と大阪でしか流行っていない」1日2800万円売上げたキャバ嬢が語る夜の街の“異変”「客層は明らかに変わりましたよ」 集英社オンライン

SNSが作った「夜の成功物語」の裏側
ここには興味深い逆説があります。キャバクラという業態全体は苦しくなっているのに、SNSでは一部のトップキャバ嬢の売り上げだけがますます派手に見えるのです。
億単位の売り上げ、高級車、ブランド品、シャンパンタワー。SNSは「夜の成功者」をスターにしました。しかし、その華やかなイメージが業界全体の実態を表しているわけではありません。むしろ普通の客が離れ、富裕層と人気キャストに売り上げが集中した結果、「勝者総取り」が強まっている可能性があります。
もちろん、今回の事件だけでキャバクラ業界と違法薬物を結びつけることはできません。田沢容疑者も逮捕された段階で、有罪が確定したわけではありません。
それでも、月商2億円超という華やかな数字で知られた人気者が、今度は「コカイン約0.4g」でニュースになったことは皮肉です。キャバクラそのものが岐路に立つなか、SNSが作り上げた「夜の成功物語」の裏側も、改めて問われる事件になりそうです。









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