トランプ米大統領が9月22日、ニューヨークの国連総会で演説した。そこで世界が聞かされたのは、国際協調や平和への呼びかけというより、トランプによる「俺はこんなに強い」という40分近い自慢だった。

BBC
「イランを殲滅する」と国連で発言
もっとも衝撃的だったのはイランへの発言だ。トランプは、イランが核爆弾を保有していたならば、それを止めようとする国々は核による殲滅の兵器庫(arsenal of nuclear annihilation)に直面しただろうと述べた。
イランが核開発放棄を拒否したため、米軍が核施設を攻撃したと説明し、今後「イランと合意するのか、それともイスラム共和国を迅速に殲滅するのか」という選択肢を示した。国連加盟国を殲滅する(annihilate)という言葉を米大統領が国連総会で使ったのは初めてである。
「核による殲滅」はイランが核武装した場合の脅威を説明する文脈であり、その後の「イランを殲滅する」という発言とも直接には結びつけていないが、核兵器をめぐる話に続けて「殲滅」「生き残る可能性はない」と語るのは、核保有国の最高指導者の発言としては危険である。
平和を語りながら「殲滅」を語る支離滅裂
奇妙なのは、トランプが自分を「平和をつくった大統領」と位置づけていることである。「私は8つの戦争を終わらせた」と胸を張る一方で、イランの「殲滅」を検討しているという。
演説はベネズエラ、キューバ、メキシコ、国際刑事裁判所(ICC)に飛び、麻薬カルテルを「西半球のISIS」と呼び、キューバ共産政権の終焉を予告し、国連の移民政策を批判し、AIについては「スーパー・インテリジェンス」と呼ぶなど、話題が目まぐるしく変わった。
この脈絡のない話し方は、認知症を疑わせる。彼に世界最大の超大国の核兵器を管理させていいのだろうか。合衆国憲法修正25条(大統領が職務遂行できないときの代行規定)の適用可能性をまじめに考える時ではないか。







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