民主改革と公明党の全議員は中道に復党し、改めて「分党」すべきだ

中道改革連合が、所属衆院議員49人のうち48人を離党させ、渡辺創衆院議員1人だけを残して存続する異例の分派を選んだが、これが「不正な脱法行為だ」と激しい批判を浴びている。

その目的は、10月20日に支給される約11.7億円の政党交付金を中道が受け取り、2月の衆院選で発生した借金を返済するためだというが、借金返済のためにこんな「1人政党」を残す必要があったのだろうか。

 

「借金があるから分党できない」はおかしい

政党助成法には、政党が正式に分党(分割)する仕組みがある。中道が分党すれば、まだ交付されていない政党交付金は、それぞれの分割政党に所属する国会議員数に応じて比例配分される。

中道は旧立憲系21人、旧公明系28人だったから、大ざっぱにいえば未交付の約11.7億円を21対28で分ける。それと同時に、衆院選の借金についても分割協議で負担方法を決めればよい。

これは前例もある。2020年に旧国民民主党が分党した際、玉木雄一郎代表は、党本部の原状回復費や職員の退職金など必要な債務を差し引き、残額を基本的に「人数割り」で配分した。政治資金に詳しい岩井奉信・日本大学名誉教授も「本来は分党すべきだ」と指摘している。

分党すると公明党へ「直接」戻れない

ではなぜ分党しないのか。最大の理由が、公明党のお家の事情である。政党助成法上の「分党」とは政党を解散して新しい政党を設立する制度だから、公明系28人が分党して政党交付金を引き継ぐには、「新公明党」のような新党をつくらなければならない。

ところが今回、公明系28人は、もとの公明党に「復党」した。10月の党大会までに復党手続きを終える見通しだ。

つまり「中道→公明党」と直接戻るには分派が最も簡単で、分党すると新党を結成し、それが公明党に合流する余計な一段階が必要になる。中道側が説明する「時間がかかる」という原因もこれである。

実は「分党してから公明党に合流」もできる

しかしそれも前例がある。2018年に希望の党は正式に分割され、玉木雄一郎氏らはいったん「国民党」という新党を設立し、その日のうちに国民党を民進党と合併させて国民民主党に移行した。

今回も理論的には同じことができる。中道を旧立憲系と旧公明系に分党し、旧公明系28人は「新公明党」を設立し、そのまま公明党と合併すればいいのだ。そうすれば政党交付金は人数に応じて分けられる。

すでに48人の離党が承認されているため、現時点では中道を分党できないが、批判を受けて方針を撤回して全議員をいったん中道に戻し、正式な分党に切り替えることは法的に可能だ。

今からでも全議員が復党して「分党」すべきだ

それでも中道は分党に切り替えない。その原因は「臨時国会までに地方組織まで分割する時間がない」などと意味不明な言い訳をしているが、臨時国会に地方組織は無関係だ。最大の問題は、公明系の議員が古巣にまっすぐ戻りたいというだけなのだ。

そのために党員1人の「幽霊政党」をつくる脱法的なやり方は、有権者にまったく理解されていない。まして来年も17億円受け取るとなったら、民主改革も公明も来年の統一地方選挙で壊滅的な敗北をこうむるだろう。

だから民主改革だけが火の粉をあびるのは気の毒で、本当の決定権は公明党にあるのだ。かれらが中道に戻って「新公明党」をつくり、それを公明党と合併するだけのことだ。こんな簡単な決断もできない政党には何もできない。

こうした野党の迷走の背景には、日本の「リベラル」が理念なき選挙互助会だった歴史がある。10月2日からのアゴラセミナー「リベラルはなぜ敗北したのか」では、こうした問題を考え、日本の政治が再生する道をさぐりたい。

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