教員の「やりがい」を担保せよ!

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文科省・教育委員会は教員志願者数を増やそうと、相も変わらず「教員採用バーゲンセール(試験の簡素化、試験日程の前倒し等)」を行っているが、果たしてその効果はあったのだろうか?

ここ数年の受験者数・受験倍率の推移を見ても、とても効果があったとは言い難い。それでもまだ中学・高等学校はある程度の倍率を維持しているが、小学校はすでに危機的状況になっている。

【教員採用試験】小学校の倍率推移(都道府県別・全国一覧) | 教採ギルド

もちろん倍率が低くても受験者層のレベルが下がらなければ、直ちに教員の質の低下にはつながらないが、ただでさえ採用試験のハードルが下がる中、小学校のように1倍台の倍率が当たり前になれば、本来の教員としての資質に欠け、意識・意欲の低い者が採用される割合は当然高くなるはずである。

そもそも教員志望者が減った理由は何か? 免許状取得や採用試験が難しいからなのか? あるいは給与が低いからなのか?

かつて教員志望だった学生が、教員になるのを断念した最大の理由は、「ブラック職場」と揶揄される教員の仕事内容や職場環境にあることが、アンケート結果からも読み取れる。

教員志望だった学生、半数超が「今は後ろ向き」 – その理由1位は? | マイナビニュース

採用試験の易化により、仮に採用人数をある程度増やせたとしても、「採用試験に受かりやすくなったから」「給料が上がってきたから」が主な理由で教員になった「意識低い系」の人は、実際にブラック職場を目の当たりにしたら、恐れをなし短期間で離職してしまうかもしれず、そうなれば元も子もない。

さらに、今頑張っている現職教員にも疲労感が漂っており、2026年7月には「精神疾患での離職者が過去最多!」という衝撃的なデータが公開された。

教員の精神疾患での離職が最多1319人 24年度、人手不足で負担増 – 日本経済新聞

もしもこのまま教員の勤務条件・職場環境が改善されなければ、学校教育の崩壊が現実のものとなってしまうだろう。

昭和~平成前期には、当時の労働条件は異なるものの、なぜ教員は平日残業のすべて、休祝日出勤のほとんどがただ働きでも、それほど不満はなく、モチベーションを維持して頑張れたのだろうか? それは学校管理職・地域・保護者などに理解される中、教師の「やりがい」がきちんと担保されていたからではないだろうか。

ところが現代においては、大半の教員は昔と同様、仕事に「やりがい」を感じてはいるものの、モンスターペアレントやSNSを中心とした世論の批判、マスコミなどの外圧にさらされ、教育委員会・学校管理職が及び腰になってしまい、教師の「やりがい」がほとんど担保されなくなっている。

つまり、いくら教師が仕事にやりがいを感じていても、今やその努力が報われる実感や信頼が乏しいから、「せめて給与アップ、残業時間削減だけでも保障してほしい!」とならざるを得ないのであって、給与を上げ、残業時間を減らしさえすれば、教師のモチベーションが上がるわけでも、バーンアウトや休職・退職者が減るわけでもない。

筆者自身、教師の「やりがい」を搾取するような過酷な教員の勤務条件・職場環境について、過去、繰り返し警鐘を鳴らし、改善の提言を行ってきたので、以下も参照していただきたい。

教員働き方改革の本丸は文科省改革?

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24年度(23年実施)教員採用試験の倍率が前年度より0.2ポイント低下し、史上最低値を更新した。「小・中・高等学校が揃って最低となったのは1979年以降初めて」「受験者数は全校種合計で11年減り続け、4割近く落ち込む」など、かなり深刻な状況...

「教員働き方改革」は進んでいない:現場から始める真の改革を

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「教員働き方改革」が叫ばれて久しいですが、果たして改革はどの程度進んだのでしょうか?文科省が教員調整額を引き上げたり、あちこちで教育委員会が教員採用試験の前倒しや簡素化などを行ったりしていますが、受験者は思うように増えないばかりか、早めに採...

結局突き詰めれば、「教員働き方改革」の本丸は、いかに教師の「やりがい」を担保するかであり、次の手順(優先順位)で行うのが良いのではないだろうか?

1. 働きやすく、やりがいを実感できる職場環境の構築

(管理職からの信頼やサポート、教員団のまとまり、同僚の相互扶助、子供に直接関われる時間の確保など)

↓

2. 教員の職務(校務)の明確化・スリム化

(「教員がしてはいけない仕事」の明確化・法制化など)

↓

3. 教員の増員

(※1、2が達成されれば、教員の魅力が高まり、意識の高い受験者が増えていく)

↓

4. 2以外の勤務条件の改善

(給特法の廃止・残業手当の支給、部活指導の職務の扱い、給与アップなど)

ぜひ、文科省・教育委員会・学校管理職の方々は、上意下達による指導等で学校(教員)をコントロールするのではなく、教師の「やりがい」を担保する視点で学校の自由度を高め、教員がモチベーションを維持できるような制度改革・職場環境の改善に、ぜひ取り組んでいただきたい。

教員に限らず、現代はストレス過多から心身に不調をきたす人が増えている。僭越ながら立ち直り方をアドバイスする拙著「落ち込んだらリフレーミング!」をAmazonから出版したので、何かの参考になれば幸いである。

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『落ち込んだらリフレーミング! -立ち直りのフレーズ52-』

 

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