東大の次期学長選出過程に疑問符が生じています。学内2500名の職員の投票結果は1位が染谷隆夫氏で1107票。これを受けて選考委員会が開かれます。委員会は学内と学外が同数の委員で構成され、委員長は昔、NHKでクローズアップ現代の司会をしていた国谷裕子氏。そして選んだのは学内投票で553票で2位の藤垣裕子氏。「何故?」という声は多く、裕子が裕子を選んだのか、と思いたくなります。

会見する国谷裕子氏と藤垣裕子次期総長 東京大学HPより
京大の学長選では3位の方が学長になりましたが、票差は478票に対して299票とそれほどでもありませんでした。委員会の説明責任は重いと思いますが、案外、委員会なんてどんなところでも密室的で自分に甘いところがあるのです。この判断が覆ることはないと思いますが、東大のイメージはまた下がってしまいそうです。
では今週のつぶやきをお送りします。
しっくりこない北米市場
東京市場は以前申し上げたようにあく抜け的な感じからこの2週間ぐらい上昇局面にありますが、北米については一進一退というか、ダルな相場で元気がないように感じます。本日金曜日はアメリカ9月度の雇用統計が発表となり、エコノミスト事前予想平均の9万人増に対して2.9万人増に留まり、前月分も16.2万人から13.3万人に、7月は2.1万人増からマイナス1万人に下方修正しています。雇用統計はトレンドを見るとわかりやすいのですが、24年5月ぐらいからずっと変調をきたし、雇用を十分に生み出していません。これはトランプ政権と時期的に重なるところも多く、外国人労働者の排除もあり、労働供給力にも疑問がついているように思えます。
国債の利回りも依然高止まりしていますが、ここにきて注目されてきたのがフランス国債の不人気ぶりで10年物で4.95%まで上昇しています。国債の信頼度は財政の健全性が重要で、特にフランスの場合、来年の大統領選で確実に極右か極左の大統領が出そうだという点において将来を見通せない不安感が台頭していると言えます。同様に中間選挙を控えたアメリカでも選挙前の世論調査以上に実際の結果が生み出す影響度は大きくなるとみています。
他方、明るいニュースとしてはアンソロピックの年内上場の目途が立ってきたことでAI関連が再び着目される素地ができてきたと思います。またメタ社のパーソナルAIエージェント、ミューズが難産の末、発表されたこともAI業界にはプラスでしょう。これを全面支援したのがソフトバンクGが9割の株を持つアーム社です。更にメモリー半導体のマイクロン社が今週良好な決算と先行き強気姿勢を示しました。業界アナリストは27年もAIブームは続くと予想する向きが多く、息を吹き返してきたような感じが唯一の明るいニュースです。
ただ、しっくりこない北米市場に重たい空気があるのはアメリカーカナダの経済問題も大きく、またトランプ氏もここにきて覇気が無くなっているように感じます。以前にも指摘しましたが、急速に「もうろく」したのではないか、という気がしてなりません。大統領としての執行能力がないなら中間選挙で思いっきり共和党が負けて大統領を弾劾した方が市場には良い結果を生むような気がします。
イスラエル行きの飛行機で何が起きたのか?
このニュース、ご覧になった方も多いと思います。私は正直、「これは映画ではないか?」と思ったのです。つまり出来すぎのストーリーなのです。知らない方にごく簡単に復習をしましょう。UAEのドバイをイスラエルに向けて飛び立ったUAEの飛行機がヨルダンの国境上空付近で操縦士の1人であるオマーン人が飛行機の墜落目的でもう一人のインド人パイロットを刺し殺そうとします。けがを負ったインド人パイロットは必死でコックピットのドアを開け、大声で客室に緊急事態を知らせます。乗客らが異変に気付き、オマーン人パイロットを取り押さえますが、飛行機は最大時速1100㌔で急下降します。乗客の1人が見よう見まねで操縦桿を握り水平飛行させる間、客室にいた予備の操縦士2名がすぐに操縦を変わり、サウジに緊急着陸したというものです。
疑問点を挙げましょう。①イスラエルが認めていないオマーン人のパイロットがなぜいたか?、 ②オマーン人パイロットはテロを目指したのか、自虐的行為だったのか? ③客室に予備のパイロットが2名座っていたのは偶然なのか? ④イスラエルと国交がないサウジのダブーク空港着陸許可があまりにスムーズにとれている…。これが映画だとしても手に汗握る内容だと思いますが、リアルの話だとすればあまりにも偶然が重なりすぎているように見えます。
では私がなぜこのトピを選んだかというとちょっと話が飛躍します。トランプ氏がこの話を中間選挙戦に使うだろうな、と思ったのです。トランプ氏がご執心の福音派には終末思想があるのは以前説明しました。その終末思想は2つの重要な点があり、その問題はイスラエルで起きるのだという点と信じるものは救われる点であります。また福音派を勢いづけるには対立軸が必要なのです。トランプ氏は直後の声明でイランのせいだと述べていましたが、理由が何にしろ、乗客の多くであるイスラエル人が救われたことは事実なのであります。またイスラエルもまた、選挙を控える中、ネタニヤフ氏もすぐに反応するあたり、この事故を政治利用している感もあるのです。
世界がギスギスしてくるとどこで何が起きるかわかりません。特に宗教絡みは根が深く、見境がつきません。またトランプ氏がカナダ苛めをしていますが、カナダ人のアメリカへの嫌悪感は高まっています。もちろん、アメリカ人が悪いのではなく、アメリカの政治が悪いのですが、様々な類推、邪推がそこに生まれるのです。高市氏を中国外務省報道官が呼び捨てにしたという話もあります。嫌悪感が生み出す想定外の事件が起きやすいとも言えましょう。このあたりがもやもやの理由なのかもしれません。
後記
今週初め、弁護士事務所で私の所有していた株式の信託への売却の署名を行いました。この最大のポイントは私が死んだ際に会社株式譲渡にかかる税金を現時点で確定させることにあり、これから約15年、私が80歳になるぐらいまでひたすら納税を最優先に行っていくのです。つまり今後15年の所得のほとんどが税金の支払いになり必要納税を終えればその後は無税の収入が入ってくるのですが、80歳になってお金をもらっても嬉しくもなんともないのです。私の場合極めて特殊なケースですが、これだけ一生懸命仕事をしてきても80歳になるまで自分の自由になるお金がほとんどないというのはあまりにも寂しいですよね。ただ、これで人生の一つの区切りとなり、解放され、新しい人生を歩むことができるという意味ですがしさを感じています。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月3日の記事より転載させていただきました。






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