パーク24のカーシェア、「タイムズカー」に不正アクセスがあり、免許証画像などが最大660万件流出する事件が起きました。特に今回は個人情報でも免許証画像や学生証の流出の意味合いが大きく、悪意があればかなりいろいろなことが出来、クレカすら作れてしまう状態になります。

パーク24 HPより
またこの1週間で数多くの企業から不正アクセスの発表が次々とあり、私としては「ブルータス、お前もか」というあの格言が頭をよぎるほどであります。ほとんどがAIを使った不正とれ、セキュリティホールを抜けてしまったわけです。多くの企業のシステムがどういう形でいつ、構築され、それがどうアップデートされているかはそれぞれだと思いますが、一度作るとほったらかし、という企業もかなりあると思います。
もちろん不正アクセスについて企業側も無策とはいいませんが、企業のサイトを通じて非常に高度なテクニックでAIがバグを見つけ出し、その弱点をついてくるとすれば人間の作った防御壁はAIには太刀打ちできず、ということでしょう。私が見る限り、これは当面いたちごっこが起きるだろうとみています。つまり似たような情報漏洩が今後も後を絶たないと予想しています。
私どもが取引するある日本企業でも最近不正アクセスが複数あり、平謝りのメールが来ています。具体的に自分の会社の何が流出したのか、その情報特定は出来ない場合もあり、大雑把な話でこんな情報が流出しました、という詫びのメールです。いまや、そういう時代にいるという覚悟と自己防衛を考える必要があるのでしょう。
皆様のEメールは一応フィルターがついていてSPAMメールは除去されていると思います。しかし、そんな初歩的なものを潜り抜ける悪質なメールをほぼ毎日受信しています。一日100件以上くるEメールをまずジャンクと業務で必要なものを振り分けるのですが、ジャンクは割とわかりやすいので瞬時に消し去ることができます。そこで残るのが本当の仕事のメールと「気になるメール」です。気になるメールも内容をさっと見ると違うと分かります。また、送信者のメアド確認が絶対条件で@マークのあとのドメインが企業からならばabc.co.jp とか xyz.comといった会社の正式なドメインになっているはずですが、そうではないかなり怪しげなドメインの場合、ほぼ自動的に手作業で削除しています。そんなものは目の毒なので読みもしません。
ただ先般、よくわからないメールが一件来ました。「今週末のイベントのご参加に関してダメージデポジットが必要なのでイベント開催までに298㌦を〇〇までにe-transferしてください」というもの。e-transferというのは当地ではメアド、ないし携帯番号で相手に無料で送金できる仕組みで、大半のお金のやりとりは個人も法人もこのやり方を使っています。自分が出店するイベントだし、保証金が必要になったというのもあり得る話です。唯一不思議なのは298㌦という半端な金額。保証金は普通、ラウンド数字なので300㌦ならより信ぴょう性があったと言えます。
そして注目のメアドのドメインはgmail.com。これが曲者でした。なぜなら個人事業主さんにはgmail.comを使っている人は相当いますので判断できないわけです。そこで私の同僚に「こんなメール来ているんだけど…」と聞いたら「あ、それ詐欺メール」と一言。彼女も実はわからなくてイベント主催者に直接確認したそうです。なぜならいつもイベントでやり取りしているメアドと違ったからだそうで、そこでしみじみと思ったのです。これは騙されるかも、と。
自分が参加するイベントだったこと、文章構成は明らかにAI作成文書ながらも極めて正確で疑う余地はなかったこと、メアドも判断がつかないこと、などを踏まえればたぶんこれで騙されているイベント参加者がいてもおかしくないと思います。仮に騙された場合、その文句を誰に言うのか、です。イベント主催者でしょうか?それを言われてもイベント主催者は困るはずです。補償も出来ないでしょう。つまり騙され損ということです。
私たちはまだ現役として業務をしているのでギリギリ防衛が出来ています。しかし、一般個人の方が全て敏感にそれらを注意深く確認することはないはずです。そしてメールは巧みな誘い文句、政府や役所のルールが変わったとか、現状それを放置すると危険、有効期限が間もなく切れる…など様々です。
オレオレ詐欺の場合、息子を語り、親に急にカネが必要になったという話にひっかかるケースですが、メールの場合もその人個人が抱えているであろう不安材料にスポッと入り込むような誘い話なのです。私の母親がそれを見たらたぶん、いままで何度引っかかっていただろうと思うのですが、幸いにしてメールをほとんどやらないのでむしろ「よかった」とほっとしている次第です。そんな母親にもオレオレ詐欺の電話はあったそうで、「今、品川なんだけど財布無くしてお金がないんだ」という電話があったそうです。自分の息子はカナダにいるのですぐに切っておしまいだったそうですが、そんな明白なウソを見破れるようなケースばかりではないということです。
我々はAIの技術に喜びを感じていると思いますが、一方で脅威も迫っていることを意識すべきでしょう。そういう点では技術の進化に対して人間の個体そのものがキャッチアップしていないので今後、我々の周りではとんでもない問題が日常茶飯事的に起きるリスクは相当高いと考えています。
自分をどう守るか、それは自分しかできない、とすればボケている暇もないし、メール1つ、電話1つにも細心の注意が必要な時代になったと言えます。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月4日の記事より転載させていただきました。







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